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Japan Blog

Google for Startups Campus の東京開設に寄せて



編注:本記事は、Google CEO スンダー ピチャイが 弊社渋谷オフィス内に新しくオープンした Google for Startups Campus での発言を編集したものです。

東京に到着してから数日、今回の滞在を心から楽しんでいます。昨日は、オリンピックスタジアムが出来上がっていく様子を見たほか、120 年以上に渡って伝統的な提灯を手作りしている地元の老舗企業に訪問しました。伝統と革新が共存する姿に触れるたびに、この東京という街に対して深い感銘を覚えずにはいられません。今日、スタートアップの創業者たちがそれぞれのゴールを目指し、アイディアを実現し事業を成功に導く様子を聞きながら、この街の奥深さを思い起こさずにはいられませんでした。

Google CEO のスンダー ピチャイと吉田商店にて、三代目 吉田 二三雄さんと歓談の様子を示す画像。

吉田商店にて、三代目 吉田 二三雄さんと歓談

日本の起業家とその事業の成功を支援することに、私たちは情熱を持っています。なぜならば、それほど遠くはない昔、 Google もまたスタートアップだったからです。2001 年、まさにスタートアップだった私たちは、米国外で初となるオフィスを渋谷に構えました。Gmail、Chrome、Android が登場するずっと以前に Google Japan があったのです。

それから 18 年の月日が経ち、様々なことがありました。渋谷は再開発とともに、変革と再生のシンボルとして知られるようになり、私たちももはやスタートアップではなくなりました。しかし、私たちの使命が「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」であることは今も変わりません。

変化したことをあげるならば、使命を全うするためのアプローチでしょう。世界中の人々に、知識や健康、幸せそして成功をもたらすツールを提供するために、近年はすべての人にとって役立つ Google を目指し開発に注力してきました。数多くのユーザーが毎日のタスクをこなすために、私たちの製品を利用しています。その大小様々な瞬間において、私たちはユーザーのお手伝いができる無数の機会を与えられています。そして、それが積み重なることで、たとえば、Google マップを利用して東京を移動するユーザーの時間を年平均で 2 時間節約できたり、Gmail の Smart Compose 機能が毎週 10 億以上の文字入力を省略できたりといったことにつながっています。

すべての人にとって役立つことを目指すということは、人類にとって有益なことを成し遂げることにも繋がっています。AI を活用したガンの早期発見や、より精度の高い洪水予測、災害情報の提供はまさにその一例です。

そして来る 2020 年、世界から日本に注目が集まるその瞬間にも、日本の人々や企業そして訪日外国人を含む全ての人にとって役立つ Google でありたいと考えています。たとえば、日本語で目的地や住所を読み上げる Google マップの新機能はこれを体現するものの一つです。また、現在、開発している Google アシスタントのビジネス向け通訳機能は、言葉の壁を超えて、海外からのお客様とのコミュニケーションをサポートします。

さらに、2020 年以降においても、技術革新が牽引するレガシーを長きに渡って継承していくことも重要です。東京に新たに開設した Google for Startups Campus や、今春に発表した日本全国でデジタルスキルの獲得を支援する Grow with Google プロジェクトが、その一端を担うことを期待しています。

デジタルスキルの獲得は、2030 年までに日本経済に 165 兆円1 の経済効果をもたらすことができると予測されており、Google は日本がこの好機を最大限に活用するための支援を惜しみません。年末までには、デジタルスキル トレーニングの受講者は 450 万人を突破する予定で、2022 年までに 1000 万人にトレーニングの提供を目指しています。

さらに、本日、日本の未来とそれを支える次世代の若者たちに向けた施策を発表します。Google は 2018 年から特定非営利活動法人「みんなのコード」への支援を通じて、小学校での情報科学教育の義務化に向け、数千人規模の教員養成プログラムを提供しています。今回、 Google.org よりみんなのコードに新たな助成金 100 万ドル (約 1 億円)を追加提供することで、同プログラムを拡充し中学校の先生方にも展開します。

日本の若い力にとってインスピレーションとなる日本らしい精神や信頼、そして技術に対する愛着に加え、本日発表した様々な取り組みが 、2020 年から未来へと続くレガシーの一部となることを願っています。


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