Women Will : 女性のリーダーシップ推進を支援するプログラムの提供を開始します
日本における労働人口の減少や、世界的なダイバーシティ推進の機運の高まりにより、私たちの働く環境は大きな変革を迫られています。女性は、その一翼を担う重要な存在として、政府をはじめとして活躍推進が叫ばれてきました。しかしながら、日本企業における管理職に占める女性の割合は 15% で、その収入は約半分と言われています 1。
平成 15 年 6 月に内閣府 男女共同参画推進本部が決定した、2020 年までに指導的地位に女性が占める割合を 30% 程度とする目標は、「 2030 年までの可能な限り早期」に繰り延べされました。また、コロナ禍において、女性の就業者数は約 8 年ぶりに減少し、非正規雇用者の半数以上を占める女性の立場の弱さが浮き彫りとなりました。
しかしながら、ゴールドマン・サックスの試算によると、男女の就業率格差が解消すれば、日本の GDP は 10% 押し上げられ、さらに男女の労働時間格差が OECD 平均になることで、同効果は 15% にも達する可能性があるとのことです 2。また、女性の役員比率が高い企業ほど経営指標が良く、株式市場での評価も高まるというデータもあります3。女性のリーダーや指導的地位における女性が増えることは、より多くの女性のロールモデルを生み、女性がいきいきと働ける職場の環境づくりを促進し、多様性によるイノベーションを生み出すことにつながります。
Google ではこれまで、Women Will という活動を通して、柔軟で効率の良い働き方への改革を後押しするため、複数企業との働き方改革実証研究結果をもとにつくられたサポートコンテンツを提供する「未来の働き方プロジェクト」や、出産などさまざまな理由で女性が仕事をやめてしまう状況を改善するため、女性の周辺のさまざまな立場の人ができるアイデアを集めてサポーター企業や団体と共に実践の輪を広げていく「#HappyBackToWork」という取り組みをおこなってきました。
テクノロジーを活用した働き方改革が進み、女性の就業者数や出産後の復職率は改善されてきたものの、女性の指導的地位における割合を増やすためには、女性自身のスキルの底上げと、女性を取り巻く環境を改善するという両輪での取り組みが必要です。そこでこの度、Women Will の新たな取り組みとして、女性のリーダーシップを推進する「Women Will リーダーシッププログラム」をスタートします。
1. 参加登録企業を対象とした 2 か月のリーダーシッププログラム
このプログラムでは、 2 か月間のトレーニングおよびワークショップ(週 1 - 1.5 時間 × 8 週間)を通して、自ら考え行動する主体性や、周囲を巻き込む実行力といった本質的なリーダーシップについて学んでいただきます。
ご参加は、現在マネジメントの地位にいる代表者の方と、参加メンバーのチーム単位となり、企業単位でご登録いただけます。現在の経営層やマネージャー レベルの方を対象とし、組織の環境やカルチャーを変革していくための方法もご紹介します。
初回では、株式会社電通様、株式会社毎日新聞社様、クラブツーリズム株式会社様、大同生命保険株式会社様(五十音順)といった企業のご参加が決定しました。リーダーシッププログラムへのご参加お申し込みやお問い合わせは、 こちら で受け付けています。(定員になり次第受付終了とさせていただきます。)
2. すべての方を対象としたオンラインで受講できるリーダーシップトレーニング
すべての方が、リーダーシッププログラムのトレーニングを ウェブサイト 上で受講いただけます。1 でご提供するワークショップや参加企業同士の交流はありませんが、動画を視聴いただく形式でトレーニングの内容を受講いただけます。
プログラムの一部内容 :
- パーソナルブランディング / 自身のキャリアの作り方
- 女性がより柔軟に働くための環境づくり : 分散型ワークスタイル
- リーダーとして活躍するスキル
- 自分らしいリーダーシップとは
- 社内起業家のマインドセットとは
また、国連機関の UN Women と ILO が実施する「 WE EMPOWER G7 」プログラム(資金提供:EU)より、「世界の企業が取組むジェンダー平等の推進:最新潮流と日本の今」と題したレクチャーをスペシャルコンテンツとしてご提供いただきます。こちらも、 サイト 上ですべての方に受講いただけます。
講師を務める WE EMPOWER Japan ナショナル・コーディネーター の大崎麻子様より、以下のコメントをいただいています。
「女性のリーダーシップ推進に不可欠なのは、『女性のためのスキルアップ・プログラム』と『女性と男性がフェアに働き続け、キャリアを積むことができる職場環境づくり』を両輪とした取組みです。このプログラムはまさにその考え方に基づいた構成になっており、WE EMPOWER Japan としても賛同します。今回提供するコンテンツでは、SDGs や ESG 投資を背景としたビジネス環境の変化を踏まえ、世界の企業がなぜ、そして、どのようにジェンダー平等を推進しているかをご紹介します。この波は日本にも来ています。ぜひ、一緒に考察しましょう」
また、Google for Startups では、アジア太平洋地域で成長するスタートアップの女性起業家を支援する 8 週間のプログラム「 Immersion: Women Founders 」を開始しました。選出された全 6 社は、プログラムを通して、顧客基盤や収益の拡大、資金調達の準備など、成長のための課題解決に向けたメンターシップの支援を受けます。日本からは、コンピューティングソリューションで作業の自動化とコスト削減を支援する ラトナ株式会社 の大田和 響子様と、オンラインのイラスト地図を提供し地域の魅力発信に貢献する 株式会社 Stroly の高橋 真知様が本プログラムに参加されています。
すべての女性が平等に活躍できる社会へ。これからも Google はさまざまな取り組みを通して尽力してまいります。