東日本大震災から 10 年を迎えて
今日で東日本大震災から 10 年を迎えます。被害の甚大さを改めて痛感するとともに、街やコミュニティを再建し、日常を続けてきた地元の皆さんのしなやかな強さに心から畏敬の念を禁じえません。
2011 年当時のスマートフォン利用率は 3 割以下 で、情報収集の方法は現在と大きく違っていました。インターネットを生業とする企業にとっても災害対応での技術活用は手探りで、どのような問題ならばインターネットが解決できるのか、どんなツールが利用者にとって本当に有益なのかを考えるきっかけとなりました。Google では地震発生直後に 様々なサービス を開発・提供し、その後も写真で被災地の記憶を保存する「 未来へのキオク 」や、ストリートビューで被災状況を記録する「 デジタルアーカイブプロジェクト 」、さらにコミュニティの復興支援を目的とした「 イノベーション東北 」等を実施しました。これらはいずれも東北の皆さんが温かく迎えてくださったからこそ実現したプロジェクトでした。
必要な情報をもっとアクセスしやすく
Google の ミッション は創業当時から変わらず、皆さんにとって便利で有益な製品を開発することです。災害発生時には多くの人が Google 検索で情報を探して いました。私たちは引き続きそのニーズにお応えするために 災害情報関連製品(Public Alerts) の強化に努めます。その一環として、Google 検索とマップで表示する災害情報を一新し、気象庁の地震と台風のデータを元に多言語表示への対応と日本の皆さんにとってより馴染みのあるデザインへと変更する予定です。詳細はまた製品の公開時にご案内します。
プログラミングのとびらを開けよう
東北 TECH 道場 は、震災復興の過程で Google が協力したプロジェクトの一つです。 一般社団法人イトナブ石巻 が中心となり、テクノロジーの力を使って復興を支援することを目的に、年齢に関係なくアプリ開発を学ぶプログラムを展開しています。当初、石巻道場と滝沢道場、仙台道場の 3 拠点で始まり、今では 12 道場まで活動を広げています。この東北 TECH 道場の一期生である津田恭平さんは石巻で被災しました。「いつかエンジニアになりたい」と大学生の時に初めてこのプログラムに参加し、がむしゃらにコーディングを学び、様々なアプリを作りました。最初に作ったアプリの一つは、石巻市内でアプリを起動すると AR で津波の高さが見られるものでした。その後、海外の企業でインターンとして研究開発に従事したり、開発者コミュニティへ積極的に参加したりと、道場の ”師範” たちも目をみはる成長を遂げ、今では現役のエンジニアとして活躍しています。
そんなコンピュータサイエンスをきっかけに未来を掴んだ道場の卒業生たちにインスピレーションを得て、Google では本日、東北地方でのプログラミング教育を支援する「プログラミングのとびらを開けよう」を発表します。青森県、秋田県、岩手県、宮城県、福島県、山形県の小学校を対象にプログラミング入門のための書籍「作って学ぶ Scratch ドリル」と「Scratch ではじめる機械学習」に加え「 はじめよう AI プログラミング 」小冊子、これらに Google のエンジニアのメッセージを添えて 500 校に寄贈します。ご興味のある学校は、こちらの 応募フォーム からお申し込みください。
![Google のエンジニアからのメッセージが載せてある画像。](https://1.bp.blogspot.com/-GCycCinVl9I/YEmDp74ca-I/AAAAAAAASxA/8ck6ZrX4clsfNG4kGIq2NmPSyNkXDnriQCLcBGAsYHQ/w640-h452/image2.png)
◆応募対象 : 青森県、秋田県、岩手県、宮城県、福島県、山形県の小学校
◆応募期間 : 2021 年 4 月 30 日(金)
◆応募要件
- ご応募は一校1回限りとさせていただきます。
- 先着500校に寄贈させていただきます。
- 寄贈先の発表は、運営事務局より図書のお届けをもって代えさせていただきます。
- お届けは 4 月上旬を予定しております。
- ご入力いただいた住所が不明等の理由でお届けできない場合は、ご応募を無効とさせていただきます。
◆主催 : Google
◆運営事務局 : 株式会社オライリー・ジャパン
東北地域の新たな Grow with Google パートナー
デジタル活用を支援する Grow with Google では、日本全国の 100 以上のパートナーの協力を得て様々なデジタルスキルトレーニングを提供してきました。この度、新たに宮城県、宮城県仙台市、福島県田村市、東北六県商工会議所連合会、東北芸術工科大学、東北観光推進機構、いわて復興連携センターをパートナーにお迎えしました。また、オンラインショップを今後導入する企業向けの「はじめての e コマース」と、自治体のデジタル化について学ぶ「はじめてのデジタル変革 自治体編」の 2 つのコンテンツを新たに追加しました。
![Grow with Google の東北地域パトーナーページ画面の画像。](https://1.bp.blogspot.com/-HKuL4LWEqyI/YEmD1Ag7SoI/AAAAAAAASxE/kPwicc45pwI7jrwtcxnu7SwN7oc3fou6wCLcBGAsYHQ/w640-h426/image1.png)
被災の様子を記録するためにストリートビューを撮影していた時分、地元の皆さんが「頑張ってね」と、ドライバーたちにみかんやおにぎりを差し入れてくださったことがありました。東北との関わりにはそんな温かい思い出がたくさんつまっています。この 10 年を振り返って、私たちは東北の皆さんをはじめ日本全国のユーザーや企業・団体、そして世界の皆さんからいただいた応援と協力に深い感謝を覚えています。今日、紹介した取り組みがこれからの東北への支援となることを、心から願っています。