Science Jam 2015「研究発表会」今年のグランプリは?
Google では、 11 月 14 日(土)日本科学未来館において、Science Jam 2015 の研究発表会を実施しました。
Science Jam 2015 は、自由な発想で科学やテクノロジーの可能性を追求し、世界を変えるアイディアにチャレンジするプロジェクトです。今回、日本全国の高校、高等専門学校の 1 〜 3 年生を対象に参加者を募集。20 校、30 チーム 74 名の高校生・高専生が発表会に参加し、生物学、工学、数学などをテーマに研究成果を発表しました。
Science Jam では、高校生がより自由に発想し、新しいアイディアを試す勇気を後押しするために、「メンタープログラム」を導入。ボランティアで参加した全国の大学生、大学院生 30 名(学部: 10 名/大学院生: 20 名)が、各自の専門や研究テーマに沿って各研究チームを 1 名体制でサポートし、発表会当日は、28 名のメンターが、約 3 ヶ月をともに過ごした高校生たちの発表を熱く見守りました。
審査は、「研究と社会の繋がり」(アイディアが、社会問題を解決する可能性を秘めているか)、「研究 方法」(課題に対する仮説、実験方法、または、考察についての理由が明確に説明されているか)、 「プレゼンテーション」(熱意と自信を持って研究を明確に説明しているか)を基準に、日本科学未来館、高エネルギー加速器研究機構、宇宙航空研究開発機構、Googleがそれぞれ、「日本科学未来館賞」、「KEK賞」、「JAXA審査員賞」、「Google賞」、そして「特別賞」を、さらに「Science Jam グランプリ」を決定しました。
Science Jamグランプリ
樹徳高等学校 樹徳高等学校理科部ぐんま200班
桒原一峻さん、太田菜摘さん、小松原萌可さん
研究テーマ: 「色繭とこんにゃくシルク」
「多くの人たちに支えられてできた研究なので、受賞できて本当に良かったです。」
日本科学未来館賞
目黒学院高校 リバネス科学部
片野晃輔さん
研究テーマ: 「ガン細胞を作る!?~新規エピゲノム編集ツール開発への挑戦~」
KEK賞
福島成蹊高等学校 チームI
柳澤愛さん、伊藤希さん、二宮晴香さん
研究テーマ: 「アオミドロ・アミミドロのストロンチウムイオン吸収について」
JAXA審査員賞
和歌山県立桐蔭高等学校 とびばと
太田裕紀さん、山本翔大さん、水上慧吾さん
研究テーマ: 「汎用ドローンにおける安全機構の研究」
Google賞
広尾学園高校 環境化学チーム
金成翔さん
研究テーマ: 「多段階励起反応を用いた色素増感太陽電池の開発」
特別賞
茨城キリスト教学園高等学校 世界のあくび
田所あすかさん、内田七海さん、磯明夢さん
研究テーマ: 「あくびの世界」
各賞について、プレゼンターから下記のようにコメントをいただきました。
日本科学未来館 事業部長 中西忍 様
当館は持続的社会を目指し科学コミュニケーションしています。一番の地球規模課題は、実は人間の生命の問題です。がん研究は生命の問題でもあり、地球環境と密接な関係があります。このことを考え、研究を続けて下さい。このメッセージを込め、授与しました。
高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所 教授 足立伸一 先生
震災後の除染の問題を正面から捉えて取り組んでいる姿に共感しました。これからも、この研究を続けてほしいです。
宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 第四研究ユニット 主任研究員 平岩徹夫 様
JAXAだからこの研究を選んだわけではありません。彼らのプレゼンテーションやまとめ方が優れていたからの授与です。彼らの研究は、はっきりとした問題設定と、それぞれに自分たちで考え抜いたアイディアをはっきりと表現、実現していました。皆さんもぜひ参考にしてください。
東北大学サイバーサイエンスセンター 教授 吉澤誠 先生
みんな本当にすばらしい研究で、本当に苦労して選びました。高校生でないとできない研究というのがあります。あくびや記憶の研究などは高校生らしくてよかった。こういうテーマを科学として捉え、ぜひ研究を継続してください。科学的な手法を身につけて、失敗しても良いから頑張ってください。今だからこそできる失敗を一杯してください。
Google 製品開発本部長 徳生裕人
非常にレベルが高かった。受賞者である金さんの伝える力が特にすばらしかった。どんなにすばらしいものでも、きちんと分かりやすく伝えることが重要です。難しいテーマでありながら、ポスターセッションにあれだけ、聞きに来る人を多く集めることができました。受賞おめでとう。
Science Jam 2015 を実施するにあたり、パートナーである日本科学未来館、高エネルギー加速器研究機構、宇宙航空研究開発機構、産業技術総合研究所をはじめ、後援していただいた東北大学には多大なるご支援をいただきました。
Google は、2 人の大学院生のアイディアから生まれました。Science Jam 2015 が、全国の若き科学者たちの出会いの場となり、地球の未来を変えていく力になると信じています。今回、参加された皆さんの今後の活躍を楽しみにしています。