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Japan Blog

Human Computation - Google Tech Talk 紹介シリーズ ( 1 )



Google に入社して何よりも驚いたのが Tech Talk と呼ばれる技術講演会の多さです。オフィスの至るところで文字通り毎日 Tech Talk が開かれています。話題も多岐にわたっていて、たとえば C++の次の標準に何が入るかといったプログラミングのコアな話や、発展途上国における情報化の現状といった社会派の話、はたまたNASAで宇宙人を探している人の話などなど、ただハシゴしているだけでいとも簡単に時間が過ぎ去ってしまいます。

そんな Tech Talk、基本的には社員向けなのですが、なかには Google Video で一般に公開されているものもあります。さらに驚くなかれ、( 個人的に非常に )嬉しいことにかなりの量の Tech Talk に字幕( 英語ですが )がつけられているのです!なので「 英語のヒアリングはちょっと・・・ 」という、そんなアナタにもおすすめです。

さて、今日はそんな Tech Talk の中でも、私が見て「これはスゴい!面白い!」と思った Human Computation という Tech Talk を紹介したいと思います。

さて話は少し脱線しますが、Windows をお使いの皆さんは「 ソリティア 」というゲームで遊んだことが一度や二度はあると思います。( ありますよね? ( 笑 ))そこで質問です。人類が今までソリティアに費やした時間は合計でどれくらいでしょうか?・・・難しい? では、パナマ運河を建設するのにかかった総労働時間と比べると長いのはどちらでしょう?

詳しくはビデオを御覧頂くとして、実はソリティアの総プレイ時間はパナマ運河の建設時間を軽く上回るのだそうです! もちろん、ソリティアとパナマ運河ではやっていることが全く違うので、単純に比較することはできません。それでもこれだけの時間が、誰にも強制されず、楽しんで、その上無償で一つの作業に提供されているというのは、何ともモノ凄いことだと思います。

で、Human Computation です。カーネギーメロン大学の Luis von Ahn 先生 はそんな「 無償の力 」を結集して、「 現代のコンピュータでは解けないけれど人間なら簡単に解ける 」という問題を大量に処理してしまおう、という研究をされています。具体的には、画像に何が写っているかという画像認識の問題や、「 牛乳は白い 」といった常識を獲得する問題などが取り上げられています。これらは人間からすれば朝飯前ですが、コンピュータにとっては恐ろしく難しい問題です。こういったデータが大量に集まってくると、コンピュータにやらせるにはどうしたら良いか、という基礎的な研究に大きく貢献することが期待されます。素晴らしい!

さて、ここまで読まれた方は「 そりゃソリティアはタダでもやるけれど、画像認識なんて誰がタダでやるの? 」と思われませんでしたか? 私は思いました。( 笑 ) 御安心下さい。まさしく、その「 誰がタダでやるの? 」がこの Tech Talk の肝になっています。キーワードは「 ゲーム 」是非御楽しみ下さい。

なお、これからも面白い Tech Talk をドンドン紹介していきたいと考えています。どうぞお楽しみに!