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Japan Blog

デベロッパー交流会(第2回) ─ Vol.2



「地図とは何か?」という哲学的なテーマで始まったデベロッパー交流会(第2回)の様子を前回はお届けしました。今回はいよいよ本題となる「Google Maps API」についてのディスカッションをご紹介します。

参加者のプロフィールについてはVol.1をご覧ください。

なお、デベロッパー交流会(第2回)は4回に分けて掲載します。更新をいち早く知りたい方はデベロッパー交流会グループ にご登録ください。


「Google Maps API って何?」と聞かれたらどのように答えますか?


小山さん:

Google Maps APIは、簡単に言えば自分で作るサイトに地図を盛り込むための機能ですね。では何がうれしいかというと自分で地図をメンテナンスする必要がないという点です。新しいビルや駅ができるなど街は変わり続けています。しかし、そのたびに地図の情報を更新するのは、負担でもあります。Google Maps API を使うことでこのメンテナンスという作業が大幅に縮小できるのです。私の会社では、同じ理由で、他社のホームページを作る場合にもGoogle Maps APIの利用をおすすめしています。

これは弊社で提供している「doodle 」というサービスです。

Google Maps APIを利用して開発しました。GPS対応の携帯電話を使って今いる場所での落書きを地図上に書き込むことができるサービスです。自分のサイトで地図を活用する例ですね。

元永さん:
Googleマップは地図好きには夢のようなサービスです。地図はとても面白いものですが、実は入手が意外と大変なのです。とくに世界各国の地図はよほど頑張らないと手に入りません。航空写真もそうですね。Google マップで、これまで入手が困難だったものも簡単に手に入るようになりました。さらに、Google Maps APIを使えば、こうした重要な資産に対して、好きなように触れて活用することができます。まさに夢のような技術です。

古籏さん:
プログラマーの視点から言うと、Google Maps APIは自分を楽しくしてくれる道具、たとえて言えば面白いおもちゃですね。私はGoogle マップやGoogle Maps APIが公開されたときに、まず「このユーザーインターフェースはすごい!」と驚いたことを今でも鮮明に覚えています。でも、普通の方ですと「地図情報がただで使える!」と反応するのでしょうが、私はこのインターフェースを使って何ができるのだろう、と考えました。

そこで作ったのがフォトアルバム です。

1000万画素クラスのデジカメの写真もGoogle Maps APIを利用すれば、滑らかで鮮明な表示が可能となります。これは地図とは無縁ですが、Google Maps APIの優れた機能を使えば他の手段にも使えるという例となります。地図を使ったGoogle Maps APIの遊び方としては、スクロール機能を使ってシューティングゲームが作れるかもしれません。実際の街の上でゲームができれば楽しいはずです。

石原:
開発者でなく地図が大好きな人、という視点で石川さんのご意見はいかがでしょうか?

石川さん:
Google マップが公開された時に、私は世界中を同じスケールで見ることができる点に感動しました。私は海外に行く度に地図を買い、さまざまな地図を所有しています。しかし、地図はそれぞれ別々のスケールで作られているので、これらを繋げて見ることはできないのです。しかし、Google マップはこの問題を解決してくれました。その当時、このようなブログの記事 を投稿しています。

感動のあまり、仁徳天皇陵と世界中の建造物の大きさを比較してしまいました。これは天安門広場との比較です。同一スケールについて感動するだけでなく、スクロールによって気軽に他の国の地図や航空写真が見られることも感動的でした。地球の裏側の地図も隣町と同じ気軽さで見られるのです。

石原:
これでもうブラジルまで地図を買いに行く必要はなくなりましたね。

石川さん:
行ったら絶対に買ってしまうでしょうけど(笑)


こうすれば、Google Maps APIを使いこなせる


石原:

いくつかGoogle マップを使った事例を紹介してもらいましたが、開発上のノウハウや裏技、デバッグ方法を教えてもらえますか?

元永さん:
私は、FireBugを利用してデバッグをしています。Google Maps APIではJavaScriptを利用して地図画像を取得するため、画像のURLが分かりづらいのですが、FireBugを使えば取得している画像のURLがすぐに分かります。こうした細かい点が分かるので、デバッグには適していますね。

また作っているうちに面白い機能に気づきました。Google マップでは地図と航空写真を重ねるハイブリッド表示の際に道路が別レイヤーで表示されるのですが、このレイヤーを抜き出して利用することができるのです。もっとも最初は「裏技を見つけた」と喜んでいたのですが、きちんとリファレンスを読むと機能として公開されていました(笑)

石原:
Google Maps APIに対して、どんなメリットを感じていらっしゃいますか?

元永さん:
以前、Google マップが公開される前にある作品を作りました。これは昔の地図や航空写真と現在のものを比べることによって、街中のちょっと不思議な道の曲がり方などの理由を探ることを目的としていました。

今回、同じ機能を提供するアプリをGoogle Maps APIを用いて作成しました。元となる作品があったとはいえ、新たにGoogle Maps API活用版を作成するのに1日しか必要としなかったことは驚きでしたね。以前作ったときは毎週末を使い1~2ヶ月はかかっていましたから。

実はこのGoogle Maps API 活用版は、交流会のネタを探すために作ってみたものです。作るうちに疑問点が出てくるだろうから、それを今日話そうと考えていたのですが、思った以上に分かりやすいAPIだったので、とくに疑問もなく作り上げてしまいました。

Google デベロッパー 交流会 第 2 回で Google Maps API Vol. 2を紹介する動画。
10:25

交流会の様子 (Google Maps API って何?」と聞かれ たらどのように答えますか?)

Google デベロッパー 交流会 第 2 回で Google Maps API Vol. 5を紹介する動画。
10:25

交流会の様子 (こうすれば、Google Maps APIを 使いこなせる)


今回はGoogle マップ、Google Maps APIを通じて、地図への熱い想いをお届けしました。もっとも古籏さんはGoogle Maps APIを地図ではなく楽しいAPIとして考えていましたが、これもGoogle Maps APIをめぐる1つの熱い想いとして、とても心強く感じました。

次回はGoogle Maps APIについてのさまざまなご要望、Google Maps APIを利用する理由とビジネスへの展開についてのディスカッションをご紹介します。