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Japan Blog

デジタル広告における透明性と競争



デジタル広告により、日本企業は以前に比べはるかに容易に、世界中の潜在顧客とつながることができるようになりました。広告はまた、自由でオープンなウェブを維持する上でも大きな役割を果たしており、日本のクリエイターとパブリッシャーやサイト運営者をサポートし、日本のユーザーが無料で利用できる便利なコンテンツやサービスを支えています。また、広告分野は新たな技術やビジネス形態を次々と開発しており、日本の成長とイノベーションを幅広くサポートしているひとつの原動力ともいえます。

デジタル広告は、アドテクと言われる広告技術によって支えられています。この分野には多くの企業が参入しており非常に競争が激しいため、ほとんどの広告主や代理店、パブリッシャーは同時に複数のアドテクプロバイダを利用しています。最近の公正取引委員会のアンケート調査によると、デジタル広告を独自に配信する広告主 / 代理店の 95 %、サイト運営者の 68 % が複数のアドテク製品を使用していることが明らかになっています (「【詳細版】デジタル広告の取引実態に関する事業者向けアンケート調査結果」別紙1、ページ 14 と ページ 135)。そして、新規参入は新しい競争をもたらし、競争はこの分野におけるイノベーションの原動力になっています。Google は、パブリッシャーと広告主の利益のためにアドテク製品の改善に継続的な投資を行っており、たとえばエクスチェンジ入札 (現在 Open Bidding と呼ばれる仕組み) や、Google アドマネージャーのファーストプライス オークションへの統一など、オークション技術にいくつかの大きなイノベーションをもたらしました。

公平でオープンなデジタル広告エコシステム

この重要な分野に対し、デジタル市場競争本部が関心を寄せてくださることを Google は広く歓迎いたします。Google は、これまで数回に渡りデジタル市場競争本部に対して自社の見解を説明するとともに、その中間報告の内容を前向きに検討して参りました。Google は、公平性、透明性、選択の可能性というデジタル市場競争本部の政策目標を支持しており、プライバシー保護もこれらの原則の鍵となることを理解しています。Google のビジネスは、以下の原則に従っています。

公平性:Google は、システムについて重要な変更を行う場合、かかる変更を可能な限り事前に通知した上でそれらの変更が行われる理由を説明しており、多くの場合、実施予定の変更について社内の担当者と影響を受ける顧客の間で対話する機会を設けています。また、検索アルゴリズムの仕組みに関する情報を公開し、検索アルゴリズムの重要かつサイト管理者が対応可能な変更については事前に通知しています。

透明性:Google は、複雑な広告エコシステムにおいて透明性を維持することが継続的な課題であることを認識しています。Google は、広告品質、オーディエンス データ、価格および取引に関する多くの情報を取引を行うパートナーに提供すると同時に、アドフラウドやユーザーのプライバシー侵害に対する保護を行っています。さらに、広告主に対して高品質の独立した広告測定を提供する 20 以上の第三者プロバイダを認定しています。加えて、デジタル広告においてサイト運営者やパブリッシャーが受領する収益を公開しています。2019 年においては、Google アド マネージャーで広告を購入するために、マーケターが Google 広告または Google の DSP (DV360) を使用した場合、サイト運営者は発生した収益の 69% 以上を受領しています。このデータは、英国の競争・市場庁(CMA)によっても確認されています(CMA報告書、ページ 275、パラグラフ 5.242)。

選択の可能性:Google のアドテク製品は、他社が提供するサードパーティ製品と相互運用できるように構築されています。その結果、Google の製品を利用するサイト運営者や広告主パートナーは、Google 製品とサードパーティ製品を組み合わせて利用しています。たとえば、Google の DSP (DV360) では、80 以上のサードパーティ エクスチェンジ へ入札を行うことができます。Google の広告サーバー (アド マネージャー) に対しては、何百もの異なるサードパーティ プラットフォームやネットワークから入札を行うことができます。アドマネージャーには業界ルールに則った公正な入札方法があり、Google の SSP または DSP を有利に取り扱ったり、これらに優先的に情報を提供することはありません。Google は、アドテクサービス内で自社のメディアを優先的に取り扱うことはありません。

プライバシー保護:プライバシーは、Google のビジネスの中心的価値です。ユーザーは Google を信頼してデータを託しているのであり、 Google はその責任に真剣に向き合っています。ユーザーは、Google に対してどのようなデータを共有するか、そしてデータがどのように利用されるかについて、自ら選択し管理することができます。たとえば、Google サービスを利用するすべてのユーザーは、パーソナライズド広告を受け取ることなくサービスを利用することを選択できます。また、ユーザーが広告のカスタマイズに同意した場合でも、提供されているツールを用いて表示される広告を自ら管理することが可能です。

デジタル広告の未来に向けた協調的アプローチ

Google には、業界における他のプレーヤーと協力してデジタル広告ビジネスを改善してきた実績があります。たとえば、ネット広告業界団体 Interactive Advertising Bureau (インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー) と ads.txt および app-ads.txt 仕様の共同開発を行い、業界における採用を先導してきました。これは、アドフラウドへの取り組みにおける大きな一歩となりました。また、日本アドバタイザーズ協会、日本広告業協会、日本インタラクティブ広告協会などの業界団体が現在構想中の監査・認証機関 (仮称 JICDAQ: Japan Joint Industry Committee for Digital Advertisement Quality &. Qualify)の合同準備委員会を通じ、アドフラウドのさらなる防止やブランドセーフティのさらなる向上に取り組む議論を重ねています。

アドテクのエコシステムは、様々な企業が次々と開発される技術を用いて進化する複雑性をもっています。Google を含むアドテク関係企業はデジタル広告の信頼性の維持改善に向けた継続的なニーズに真摯に向き合っています。市場への規制介入を行うにあたっては、この複雑性と継続性を慎重に検討する必要があると Google は考えています。さまざまな関係者の利害は相互に複雑に関連しており、ひとつのグループへの規制が、業界全体としての信頼性の維持拡大につながるとは言えない場合もあります。たとえば、あるグループにおける透明性向上のための規制強化は、別のグループにおいてのプライバシー侵害を引き起こす可能性もあります。また、日々進化するアドテクに対応するために、規制が新たな規制を生み、結果的にイノベーションを阻害する要因にもなる可能性も否めません。このため、規制の検討においては、安易な規制導入が日本の消費者と企業に深刻な影響を及ぼす可能性があることを強く認識した上で、その必要性について慎重な検討を行うことが不可欠です。

デジタル市場競争本部による今後の検討におきましては、デジタル市場競争本部と業界のより緊密な連携が推奨されます。Google は、官民の協調的アプローチにより、日本の消費者と企業に利益がもたらされると確信しています。