メインページに戻る
Japan Blog

デジタル未来構想から、日本社会に貢献する AI の実装を目指して

東京大学 松尾・岩澤研究室の学生らと話すスンダーのイメージ
東京大学 松尾・岩澤研究室の学生らと話すスンダー

Google は、2022 年に日本のデジタル化を支援するため、インフラへの投資やデジタルトレーニングの提供、そしてパートナーや非営利団体への支援を強化する「デジタル未来構想」を発表しました。

その一環として、2023 年に千葉県印西市に Google として日本で初めてとなるデータセンターの開設や日本とカナダ西海岸を結ぶ初の海底ケーブル「Topaz」を開通させ、デジタルツールやサービスへのアクセス速度と安定性の向上を実現しました。これらの投資をさらに拡大し、2024 年には太平洋接続構想を発表しました。この構想には、グアム、北マリアナ諸島連邦(CNMI)、ハワイを経由して米国本土と日本を結ぶ 2 本の新しい海底ケーブル「Proa」と「Taihei」が含まれます。

さらに、近年におけるサイバーセキュリティの重要性を受け、2023 年 10 月には、日本をサイバーセキュリティ研究拠点(Cybersecurity Center of Excellence)として、アジア太平洋 地域のサイバーセキュリティの強化を目的とし、誰もが安全に安心してデジタル上の日常生活を過ごせるための取り組みを推進しています。また、このセンターでは、日本政府、政策立案者、業界パートナーと協力して、サイバーセキュリティ基準の強化と安全なデジタル環境の促進を目指しています。

Google では、生成 AI をはじめとする最先端技術を活用して日本のさらなる発展に貢献するために、今回あたらしく日本のパートナーの皆様との社会課題解決や AI 人材の育成における共同プロジェクトをご紹介します。

AI を活用した日本でのさまざまな取り組み

桂文枝師匠が落語を披露している動画

吉本興業とのパートナーシップのもと、桂文枝師匠に Gemini を活用した新作落語を創作し披露いただきました

Google は、責任ある AI の開発と展開を念頭に置いた取り組みを続けています。日本においても、AI が社会の全てのみなさまに有益で安心してお使えいただけるものとなるよう、日本の企業や団体と共に取り組みを行っています。

また、2024 年 6 月に発表した、東京大学 松尾・岩澤研究室ととも日本全国の地域課題の解決をサポートする生成 AI モデルの実装と AI 人材の育成を支援する取り組みにおいては、大阪府と広島県とのプロジェクト以外にも、大分県、宮城県、愛知県、栃木県の 6 府県に拡大しています。これらのプロジェクトは、高齢化社会や労働人口の減少など日本が直面する喫緊の社会課題に直接的に紐づく観光、健康、福祉などの主要分野を優先し、日本のすべての人にとってより包括的で豊かな未来を育む AI の可能性を追求します。

さらなる AI 人材育成のために

人材育成の領域では、Grow with Google を通じて、日本で 1,000 万人以上を対象にデジタルトレーニングを提供するという目標の達成に加え、2022 年には、 240 以上の団体が参加する日本リスキリングコンソーシアムを主幹事として設立しました。このコンソーシアムは、AI、デジタルマーケティング、その他の需要の高い分野で 1,500 以上のプログラムを提供し、日本の今後一層の経済成長に欠かせないデジタル人材の育成に貢献しています。本コンソーシアムの会員数は、 2 年間で 15 万人を超え、参加・後援団体も増加しています。

2020 年から続く東京大学との長期的な取り組みの一環として、博士課程の学生への研究支援やインターンシップを通じた最新技術を活用した実践的な経験の場の提供を行ってきました。この度、より幅広い層へ AI 教育を提供することを目的に、AIの基礎知識から実際の活用場面を想定した応用までを学べる Google AI Essentials や Gemini Academy などのAI に特化した教育プログラムを学部セミナーやコースに活用するために提供します。

また、いまだ理系分野、特にコンピュータ サイエンスを専攻する女性の数が少ない中、Google では、Mind the Gap プログラムを通して、これから進路を決定される女子中高生に、情報科学を生かした仕事の魅力を伝え、将来どのような可能性が生まれるのかについて楽しく知る機会を提供しています。今年は、このプログラムを日本で開始してから 10 年目を迎え、すでに 1 万人以上の生徒の皆さんが参加されています。

Google の慈善事業部門である Google.org は、2011 年から現在まで、1,900 万ドルを超える助成金、1 億 1,500 万ドルの寄付製品、8,000 時間の Google 社員によるボランティアを通じて、日本の非営利団体を支援してきました。今回、東京大学に 400 万ドルを拠出し、AI 研究の進歩や AI を活用した社会課題解決を実現するための人材育成に取り組む活動を支援します。東京大学は、地域の非営利団体やその他の組織と協力して、誰もが AI の恩恵を平等に享受できる環境を日本に作り出すことを目指し、 60 万人の若者と教育者を支援することを目指します。

Google は、AI をはじめとするデジタル技術の力で、企業、団体、行政機関、そして皆様とともに、誰もが自由に可能性を追求できる社会、イノベーションが活発に生まれる経済の実現を目指します。AI が日本の抱える様々な課題解決の一助となり、その秘めた可能性を最大限に引き出すことで、より良い未来へと繋がるよう、今後も尽力して参ります。