医療現場の課題解決を進めるユビーと Gemini の取り組み
Googleは、生成 AI などのテクノロジーが医療分野における革新を支援できると考えています。実際に Med-Gemini のような AI モデルは、医学知識の理解や診断支援といった分野での可能性を示しています。そしてパートナーがこういったテクノロジーを活用し、医療エコシステムにおける重要な課題に取り組んでいます。日本の主要なヘルステックスタートアップであるユビーが、医療サービスの質を維持するために、医師の働き方や人手不足に Gemini モデルをどのように活用しているかをご紹介します。
ユビーの使命は、医療従事者が本当に重要なこと、つまり患者ケアに集中できるようにすることです。ユビーは、 Gemini モデルを活用して、医師や看護師が日常業務で直面する文書作成業務等の効率化を進めることで、医療分野の課題解決に取り組んでいます。
ユビーは、これまで医療現場のニーズに特化した AI 技術と独自のノウハウを蓄積してきました。これにより、ユビーが提供するする AI ソリューションは、単に Gemini モデルを活用するだけでなく、約 5 万件の医学論文を基盤とし、医師監修のもと常に新しいエビデンス情報を追加することで、医療現場の複雑な状況や専門用語を理解し、適切な情報を提供できるように設計されています。ユビーの AI ソリューションは、 AI による事前問診で診療の効率化と充実化を同時に実現し、患者様の主訴などをもとに AI が最適化された質問を自動生成・聴取します。回答は医学用語へ即時翻訳され、医療者向けに出力され、病名辞書リストアップで、非専門領域の業務効率化も支援します。また、文書作成、要約、校正などの事務作業を効率的に処理し、医療機関内でのベストプラクティス共有を促進し、業務の質と一貫性を向上させます。これらの機能は、ユビーが長年培ってきた医療現場への深い理解と、自然言語処理(NLP)、機械学習(ML)、深層学習(DL)などの高度な AI 技術を組み合わせることで実現しています。
ユビーの開発チームには現役の現役で臨床業務を行っている医師らも含まれており、臨床現場での直接的な経験が、現場のニーズに対する深い理解をもたらし、ユビーの実用的でAIを活用したソリューション開発への取り組みを推進しています。
ユビーは、Google CloudのVertex AIプラットフォームを利用して Gemini モデルをファインチューニングし、日本の医療特有のニュアンスを理解できるように設計されています。これにより、AI は音声認識と要約を用いて、退院サマリー、紹介状、インフォームドコンセントフォームなどの重要な書類を効率的に生成できます。Gemini は、これらの高度な AI モデルを実際の臨床現場で展開し、拡張するために必要な堅牢なインフラストラクチャとツールを提供します。
ユビーの生成AIソリューションは、すでに日本の医療現場でその有効性を実証しています。
- 恵寿総合病院:生成AIを活用した退院サマリーツールにより、看護師の管理業務の負担を 42.5 %、心理的負担を 27.2 %軽減しました。この効果は、入院期間が長い患者ほど顕著です。
- ヨコクラ病院:Gemini を活用した音声文字起こしと要約機能により、インフォームドコンセントなどにおける記載業務患者の効率が 33 %向上しました。
- 九州大学病院:紹介状の要約と標準化により、入院に際するサマリー作成における作成する医師の効率化を 54 %向上しました。
これらは、医療従事者が患者とより多くの時間を過ごせるようになり、最終的にはケアの質を向上させることを目指しています。高齢化と労働生産人口減少が大きな課題となっている日本の医療システムにおいて、Geminiモデルは、医療従事者の負担を軽減し、より質の高いケアを提供できるようにするための重要なソリューションを提供します。今後も、テクノロジーを通じて日本の医療の未来を支援してまいります。