Google日本語入力チームからの新しいご提案
みなさん、Google日本語入力は使っていただいていますか? 豊富な語彙と強力なサジェスト機能で思いどおりの日本語入力をサポートし、発表以来多くの方にお使いいただいております。
我々 Google 日本語入力開発チームは、もっと速く・効率的に入力できないか、日々研究を続けています。今年 2 月 17 日に発表した開発版では、そうした我々の取組みを実際に体験していただけると思います。
ただし、限界に突き当たることもあります。その一つがキーボードです。現在一般的に使われている QWERTY と呼ばれるキーボード配列は実は「遅く打つため」の配列になっているという逸話があります。この説によると、タイプライターが発明された際、機械的な故障や絡みを減らすために、わざと人間が速く入力しにくい配列にし、「a」や「enter」など、よく使われるキーが打ちにくい小指や薬指に配置されているのです。この説には様々な反論等もありますが、QWERTY 配列よりも人間工学的に最適な配列があると考えました。
様々なデザインから、Google 日本語入力のキーコンセプトである、1) 空気のように入力できる, 2) 変換の煩わしさを感じない に合致しているか が検討され、最終的には以下のデザインになりました。
このキーボードの特徴は、すべての JIS 第一水準文字がたった1ストロークで入力できることです。つまり、「素晴らしい」と入力するために、今まではローマ字入力なら 11 回(「subarashii+変換キー」)、かな入力でも 6 回(「すばらしい+変換キー」)と押していたものが、たった5 回で入力できるようになります。特に、今までは何度も変換キーを押して探さなくてはならなかった漢字などは、変換の必要すらなく一発で入力できるのです。
また、顔文字にも対応しているため、気持ちを表現する際に一発で顔文字を表示することができます。
早速開発者が試打してみました。
(開発者 小松のコメント)
はじめは「Enter でかっ!」と思いました。よく考えると、そのほかのキーが小さすぎるような気もしています。ドラムの数をさらに増やして、キーを大きくする方が正しい方向かもしれません。もう少しよく考えてみます。
(開発者 向井のコメント)
仕事柄一日中パソコンに向かっていますが、これなら飽きずに楽しく、そして今までよりもずっと早く作業が進みそうです。
Google 日本語入力チームには、ドラムを演奏したことのある経験者がいないので、社内で経験者を募集、日ごろからドラマーとして活動している Search Quality チームの藤井君に試打をお願いしました。
(ドラマー藤井のコメント)
ダブルストローク(※1)を使ってキーが入力できるので、非常に高速なタイピングが出来る点が素晴らしいです。また、フィルイン(※2)を入れる感覚で、句読点や顔文字が入れられる点にも感動しました。
※1 1回のストロークで2回打面を打つテクニック。
※2 曲の展開が変わる場面で入れる装飾的なフレーズのこと。
最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば最速で日本語入力ができるようになります。将来的には、絵文字のレパートリーも増やしたり、新語を一発で変換できるパーツも追加していきたいと考えています。
本日より試打の予約を受けています。ぜひご予約はお早めに。
他にも多くの開発者、関係者がベータテストを行いました。その模様はこちらの Picasa ウェブアルバムでご確認ください。
Googleのミッションは世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。
みなさんがすべての文字に最速でアクセスできるよう、これからも引き続き努力していく予定です。
よくある質問
Q. このドラムはいくらなんですか?
A. 現在試作品提供業者と価格設定について協議中です。できるだけ安価な価格で提供したいと考えています。
Q. どこで販売していますか?
A. 直接販売する予定です。試打予約をしていただいた方には、販売開始のお知らせをご連絡する予定です。
Q. 他の国の言語を入力するにはどうしたらよいのでしょうか。
A. 日本語で入力した後、Google翻訳を利用していただく形になります。
Q. 絵文字には対応していますか?
A. 現在顔文字まで対応しています。将来的に絵文字にも発展していきたいと考えています。(オプションパーツとして提供する予定)