Android の新バージョンと、新しい Nexus
たくさんの人々が集まるとき、そこには素晴らしい何かが生まれます。スマートフォン (さらには、スマートウォッチやタブレットなど、その時点ではまだ開発されていなかった機器)を、みんなが集まって一緒に作り出すことができたら面白いのでは。そんな考えから、あらゆる人々が好きなように想像したり、発明したり、何かを作ったりできる自由を実現するため、Android をオープンソース プラットフォームとして開発しました。
以来、さまざまな企業や、アイデアを持った若者、教室で学ぶ子どもたち、才能あるデベロッパーなど、実に多くの人々が開発に関わり、共に力を合わせることで、Google だけでは到底考えられなかったような速度でイノベーションが生み出されてきました。そしてそれだけに留まらず、常に新しい参加者が加わり続けることで、誰もがもっと素晴らしい楽しさや驚きに出会うことができるようになりました。
先日インドで発表し、その他の国々でも準備が進む Android One は、まさにこの考え方に基づいたものです。このプロジェクトによって、世界でまだネットに繋がっていない数十億の人々が、素晴らしいスマートフォンを手にすることができるようになります。そして今、私たちが最新のソフトウェアである Lollipop にとてもワクワクしているのも、同じ理由からです。なぜなら Lollipop は、現在 Android を利用している数十億のユーザーのさまざまなニーズを満たすことができるように設計されているからです。
Android 5.0 Lollipop
Google I/O で発表したとおり、Lollipop は 5,000 を超す開発者向け API を新たに追加した Android 史上最も意欲的なリリースです。Lollipop はフレキシブルであることを念頭に作られているため、どんなデバイスにおいても利用することができ、好みの状態にカスタマイズすることが可能です。そして、いままでの Android がそうであったように、Lollipop も共有を前提に設計されています。
私たちの現代生活では、スマートフォン、タブレット、TV などの様々な画面を日々必要に応じて利用することが当たり前になりました。Lollipop は、そうした状況を踏まえて開発されています。複数のデバイスを同時に利用する時に重要なのは、いかに「すべてが繋がっているか」ということです。Lollipop を使えば、さっきまで見ていた写真や、使っていたアプリ、検索した履歴などにほかの Android デバイスからアクセスでき、簡単に作業を継続することができます。
別のデバイスの画面に移動するときにも、使い勝手は同じでなければなりません。そのため、Lollipop には Material Design と呼ばれるデザインアプローチが採用され、どのデバイスにも共通で適用されます。タッチやボイスコマンドによってより直感的にコンテンツを操作でき、作業の移り変わりも一層スムースになります。
また Lollipop では、デバイスのより細やかな管理が可能になります。たとえば打合せ中や食事をしているときなどに、事前に設定した重要な連絡や通知以外を許可しないようにすることも可能です。重要な通知があったときには、ロックスクリーンで直接内容を確認できます。
そして、より長い時間デバイスを使うようになった現代の生活にあわせ、バッテリーセーバー機能も導入されました。この機能によって、デバイスの利用時間を最大 90 分まで伸ばすことができるようになりました。これにより、すぐに充電することができない状況になっても安心です。また、複数ユーザーアカウントや、ゲストユーザーモードにも対応しているため、プライベートなデータの管理も万全です。さらに、パスワードやパターンのみならず、スマートウォッチや、自動車のスマートキーシステムなどの認証デバイスとのペアリングによって、スマートフォンのロックを解除することも可能になりました。なお、これらは Lollipop でできることのほんの一部です。より詳しい内容については、 android.com をご覧ください。
Lollipop 搭載の新しい Nexus ファミリー
コンピューティングの発展は、ハードウェアとソフトウェアが交差するところで加速します。この考えのもと、Google ではこれまで新しい OS のリリースにあわせて新しい Nexus デバイスを発表してきました。ソフトウェアを抽象的に設計するよりも、ハードウェアパートナーと共同に端末を開発することで、モバイルエコシステムの可能性を押し広げています。今回の Lollipop リリースでも、いくつかの新製品を世に送り出します。
まず、私たちは モトローラと Nexus 6 を開発しました。この新しいスマートフォンには、アルミニウム製フレーム、6 インチ クアッド HD ディスプレイ、1300 万画素のカメラが備わっています。デバイス前面には、大型のスクリーンと共に高音質デュアルステレオスピーカーが搭載されており、仕事だけでなく映画やゲームなどにおいても活躍します。また、Turbo Charger 機能によって、たった 15 分の充電で長時間の駆動が可能になっています。
次に HTC からは、 Nexus 9 が発売されます。ブラッシュドメタルの側面フレームと 8.9 インチスクリーンのこのデバイスは、片手で持つことができるほどコンパクトでありながら、仕事に活用するにも充分な大きさです。タブレットを仕事で使う方の多くが、シンプルな操作性を好む現状に配慮し、キーボードを利用するためのマグネットスタンドケースを用意しました。折り曲げることで、ノート PC のように立てて使うことが可能です。
Nexus 9 は、10 月 18 日未明から予約受付を開始し、11 月 4 日に販売開始します。 Nexus 6 の日本での展開については、準備が整い次第発表します。いずれのデバイスにも、Android 5.0 Lollipop が標準搭載されます。Nexus 5、7、10 および Google Play 版デバイス向けには、数週間以内にリリース予定です。