より安全で迷惑メールの少ない受信トレイを実現する新しい Gmail のポリシーについて
Gmail は AI を活用して、スパム、フィッシング、マルウェアの 99.9% 以上が受信箱に届かないように、毎日 約 150 億件の迷惑メールをブロックしています。しかし、Gmail の提供から約 20 年が経過した現在、私たちはメールの安全な送受信に関して複雑な問題に直面しています。
そこで、迷惑メールを阻止し、受信トレイをさらに安全にするために、大量送信者(Gmail アドレスに 1 日に 5,000 通を超えるメッセージを送信する送信者)に対する新しいポリシーを昨年の 10 月に発表しました。
メールの検証で悪意あるメールをブロック
多くの大量送信者はシステムの保護と設定を適切に行っていないため、攻撃者は簡単に侵入することができます。この問題を解決するために、メール セキュリティの重要な側面である、送信者の本人検証に焦点を当てました。基本的なことのようですが、インターネット上には古くて非互換的なシステムも混在しているため、メールの送信者を確認することが難しい場合があります。
2023 年から、Gmail アドレスに送信されるメールに認証を義務付けたことで、Gmail ユーザーが受信する未認証メール数が 75% も激減しました。これにより、受信トレイが整理され、数十億件の悪意あるメールをより高い精度でブロックできるようになりました。
これは大きな前進ですが、大量送信者に対する新しいポリシーなど、さらなる対策が必要です。
大量送信者への新しいポリシー
2024 年 2 月までに、個人向け Gmail ( 対象ドメイン:gmail.com または googlemail.com) では大量送信者に以下を義務付ける予定です。
- メールの認証設定 : 信頼できる送信元からのみメールを受信すべきです。そのため、大量のメールを送信するユーザーに対して、手順に従ったメール認証を義務付けます。これにより、攻撃者に悪用されることを防ぎます。
- 配信停止を容易にする : 特定の送信者からの不要なメールの受信を停止するために、面倒な手続きを取るべきではなく、ワンクリックで完了できるべきです。大量送信者には、Gmail の受信者がワンクリックで商用メールの配信を解除できる機能を提供し、配信停止リクエストを 2 日以内に処理することを義務付けています。これらのポリシーは業界標準に基づいて構築しており、送信者が実装することで、メールを使用するすべての人が恩恵を受けられます。
- ユーザーに必要とされるメールを送信する : 迷惑メールを好む人はいません。Gmail にはすでに不要なメッセージが受信箱に届くのを防ぐ多くのツールが備わっています。さらなる保護のため、今後は、受信者が望まないメールを減らせるように、送信者が遵守すべき明確なスパム率のしきい値を適用します。これは業界初の試みであり、その結果、迷惑メールがさらに少なくなります。
最新のガイドラインはこちらのヘルプページより、詳細な内容・対応方法をご確認ください。よくあるご質問に対してはこちらのヘルプページにて回答を記載しています。
こうした変化を推進しているのは Google だけではありません。業界パートナーも、これらのポリシーを導入する必要性を認識しており、Yahoo のシニア ディレクターである Marcel Becker 氏は「メールプロバイダーが誰であっても、すべてのユーザーは可能な限り安全で強固な体験を享受する権利があります。相互接続されたメールの世界では、利用者全員の協力が不可欠です。Yahoo は、Google や他のメール コミュニティと協力して、これらの常識的で影響力の大きな変更を新たな業界標準を推進していくことを楽しみにしています」と 述べています。
これらの変更はメールの世界におけるチューニングのようなもので、内部で問題を修正することで、円滑にお使いいただくことができますが、 1 回の変更で終わるわけではありません。メールをより安全に、使いやすく、迷惑メールのない状態に保つには、コミュニティ全体による継続的な協力が必要です。ユーザーの受信箱が安全に保たれるよう、引き続きコミュティと協力して進めてまいります。