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Japan Blog

感染症対策の専門家を支援。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と戦う上で役立つデータを



世界中で新型コロナウイルス感染症のパンデミック対策が進む中、感染拡大を抑えるために日本では「3 つの密を避ける」や、欧米では「社会的距離を取る」といった対策がより一層重要になっています。ご存知の通り、Google マップでは匿名化して集約したデータを用い、特定の種類の場所や店舗の混雑状況や交通状況を表示しています。Google では、こうした匿名化し集約したデータは、新型コロナウイルス感染症対策を担う専門家が様々な判断を下す上で、一助となるのではないかと考えています。

そこで本日より、COVID-19 Community Mobility Reports (COVID-19 コミュニティ モビリティ レポート) の早期公開を開始します(英語での提供)。これは感染症流行のピークを遅らせ引き下げることを目的とした、例えば在宅勤務の推奨、外出自粛、欧米等ですでに発令されている自宅待機令といった対策が与えた変化に関するインサイトを提供することを目的としています。もちろん、本レポートは、Google の厳格なプライバシー規約とポリシーを順守しており、その上で役立つ情報となることを目指しています。

同レポートは、集計のうえ匿名化したデータを使用し、娯楽関連施設(Retail & recreation)、食料品店やドラッグストア(Grocery & pharmacy)、公園(Parks)、公共交通機関(Transit stations)、職場(Workplaces)、住宅(Residential)といった大分類を用い、これらの場所の行動の傾向を時系列のグラフで表示します。数週間単位の傾向とあわせて、48 〜 72 時間前の最新情報も掲載します。訪問の増減率は表示しますが、訪問の絶対数は含まれません。またプライバシー保護の観点から、個人の位置や連絡先、移動など個人を特定できる情報は一切含まれません。

本レポートは、日本を含む 131 カ国が対象で、情報の緊急性を鑑み国レベルだけでなく可能な範囲で地域ごと(日本においては県単位)の情報を掲載します。新型コロナウイルス感染症拡大対策に取り組む専門家の皆さんにとって役立つ内容となるように、今後、数週間をかけ、その他の国や地域を追加していく予定です。

COVID-19 コミュニティ モビリティ レポートの検索方法を示すGIF画像。

Japan を検索、もしくはスクロールしてダウンロードして下さい。

本レポートは次のような状況ーー例えば、避けられない外出の傾向を把握し、営業時間や宅配サービスの提供について推奨事項を定める場合や、公共交通機関における混雑の傾向を知ることで、乗客が社会的距離を保てる空間確保のために増便の必要性を検討する場合ーーに、何らかのインサイトを提供できるのではないかと考えています。究極的には人々が移動しているかどうかだけでなく、目的地の傾向もあわせて把握することで、感染症の拡大抑制と日常生活に不可欠なニーズの保護を包含した指針の作成に寄与するものと考えています。感染症対策の専門家たちが持つ他の情報とあわせて、本レポートがパンデミック対策における意思決定に役立つものであることを願っています。

COVID-19 コミュニティ モビリティ レポートの詳細を示す画像。

例: 米国ルイジアナ州の Community Mobility Report

Community Mobility Reports に加え、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む疫学者と協力し、パンデミックの理解および予測に活用できる既存の匿名化されたデータセットの更新も行っています。これらのデータは、研究者による流行予測、都市および交通インフラ計画、紛争や自然災害時の人々の行動の研究に活用されています。

プライバシー保護

Community Mobility Reports では、Google の製品において日常的に使用する世界トップレベルの匿名化技術を利用しています。これに加え、データセットに意図的にノイズを付加する「差分プライバシー」と呼ばれる手法も採用しており、個人を特定することなく高品質な結果の取得を可能にしています。

本レポートの情報は、ロケーション履歴の設定を有効にしたユーザーのみから収集され、匿名化されたデータセットに基づいて作成しています。ご存知の通り、このロケーション履歴の設定はデフォルトで無効になっています。設定を有効にしているユーザーは、いつでも Google アカウントで設定を無効にできるほか、タイムラインからロケーション履歴データを直接削除できます。

現在、世界が直面する状況は前例のないものであり、Google では感染症の専門家、公衆衛生関連の行政機関、地方自治体、市民社会組織、広く社会の皆様からご意見をいただきながら、これらのレポートを継続的に評価・検証していきます。これらのレポートが提供するインサイトが他の情報と共に、市民や地域社会の健康と安全を守る支援となることを期待しています。

【 追記 】
日本時間 4 月 17 日 より、本レポートの CSV データを公開しています。Google コミュニティ モビリティ レポート サイト上の「Download global CSV」リンクからダウンロードして下さい。