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Japan Blog

これからの 20 年にむけて ~ より良い検索を目指して~

20 の数字を虫眼鏡で見ることを示すGIF 画像。

インドで幼少期を過ごした私にとって、地元の図書館はとても思い出深い場所です。そこは、ブリティッシュ・カウンシルが運営する図書館で、ヨーロッパの基準からすると質素な施設でした。図書館へはバスをいくつも乗り継いで行く必要がありましたが、当時、多くの子どもたちが情報に触れる機会を持てなかったことを考えると、私はとても幸運だったと思います。情報にアクセスできたことで、私の人生は大きく変わりました。このような機会があったからこそ、私は米国でコンピュータ サイエンスを学び、人生の可能性を大きく広げることができました。

インドにあるブリティッシュ・カウンシル・ライブラリを示す画像。

地元のブリティッシュ・カウンシル・ライブラリ

ちょうど 20 年前、 Google 検索を世に送り出した時、私たちは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を使命に掲げました。1998 年当時のインターネットの総ページ数が、わずか 2500 万 (およそ小さな図書館の蔵書の数)程度であったことを差し引いても、この使命は壮大なものだと思います。

現在、 Google がインデックスしているウェブページ数は数千億を超え、今やその情報量は世界中の図書館をすべて合わせたとしても収まり切れません。Google 検索は 190 カ国 150 言語以上で利用でき、毎日、世界中のユーザーの ”知りたい” にお応えしています。

この 20 年、様々な変化がありましたが、Google は常にこの「使命」に忠実であり続けてきました。情報へのアクセスを向上させることは、創業当時から変わらず Google がやるべきことの根幹です。テクノロジーや情報が大きく変化しても、検索の基本理念は変わりません。

  • “Focus on the user” なによりもまずユーザーに焦点を当てること。レシピや試験対策から政策まで、内容を問わず、どんな場合でも、ユーザーが必要とすることに応えます。
  • Google は、最も関連性が高く、そして品質の高い情報を迅速に提供することを目指しています。Google 検索の基盤テクノロジーであるページランク アルゴリズムが登場した当初から現在まで、この目標は変わりません。
  • Google では数十億の検索が毎日行われていますが、そのうち 15% は過去に一度も検索されたことのないキーワードです。この規模で検索サービスを効果的に提供するにはアルゴリズムによる方法以外、手段がありません。このアプローチを用いることで、すでにどこかで検索されたことのあることも、未だ見ぬ未知のクエリにも対応することができます。
  • Google では、検索エンジンへのあらゆる変更を入念にテストしています。このプロセスにおいて重要な役割りを果たすのが、検索品質評価ガイドラインです。これは、検索の品質を評価する評価者向けに検索の目的を定義したもので、2013 年以降、誰もが閲覧できるように公開しています。検索に適用するあらゆる変更はテストの段階でガイドラインに沿って評価されます。昨年だけでも 20 万以上のテストを実施し、2400 以上の変更・改善を行いました。このようにして、私たちは日々Google 検索の改善に取り組んでいます。

Google が 20 年を迎えた今年、より情報にアクセスしやすく、そしてさらに使いやすくする、検索の新たな章を開く取組みをご紹介します。

  • 情報探しの “旅” をサポート: 聞かれた時に答えを返すだけではなく、ユーザーが中断した所からタスクを再開したり、興味関心を持っていることや趣味に関する新しい情報を手に入れられるように、新機能を検索に追加します。
  • キーワードなしでも情報を: 昨年から提供している「フィード」は、検索しなくても興味に応じた関連情報を表示します。本機能を Discovery として一新しました。
  • 文字からビジュアルへ: より視覚的にわかりやすいデザインを採用すると共に、Google 画像検索のデザインを刷新、情報をより探しやすくしました。

こうした変化はそれぞれ AI の進歩によって支えられています。Google が創業した当時には不可能だった水準にまで、AI の進化は言葉の理解を可能にしています。これはとてもエキサイティングなことです。20 年以上前、私が学生時代に触れたニューラルネットワークはまったく使えたものではありませんでした。

そして今、私たちはニューラルネットワークが「単語の理解」から「概念の理解」を可能にする、大きな飛躍の局面を迎えています。ニューラルネットワークの分野で開発された neural embedding と呼ばれる手法は、言葉をより曖昧な、根本的な概念へと変換することで、検索クエリの概念と文書の概念を対応づけることができます。私たちはこの手法を「ニューラル マッチング」と呼んでいます。これにより、たとえばユーザーが「テレビが変なんだけどなぜ?」といったような質問をした場合、質問の単語がページに含まれていなくても、対象となるページを表示することができるようになります。 (なお、テレビの写りが変な理由として ソープオペラ効果 という現象が挙げられます)。

Google 検索の初期から、私はこの製品に関わってきました。非常に長い間この製品を担当していることになりますが、それでも未だに私を魅了してやまないのは、検索において Google が掲げる使命とその普遍性です。情報へのよりよいアクセスを可能にすることは Google の基本理念であり、そのために私たちができることはたくさんあります。私たちの仕事は、まだ終わりません。