スマホソフトウェア競争促進法への対応について
本日より、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(以下、スマホソフトウェア競争促進法)」が、指定された事業者を対象に施行されます。本ブログでは、Google がこの法律をどのように遵守するか、それによって皆さまの利用する製品にどのような変更が生じるかについてご説明します。
日本の消費者と企業の皆さまへの主な変更点:
- 検索エンジンとブラウザの選択画面(チョイス スクリーン):Android や Google Chrome では、これまでも検索エンジンやブラウザを簡単に切り替えることができましたが、スマホソフトウェア競争促進法に基づき、今後はユーザーの皆さまに検索エンジンとブラウザの選択をしていただく画面を表示します。この画面は、国内の Android スマートフォン、および iOS スマートフォン上の Google Chrome アプリで順次表示されます。詳細はこちらをご覧ください。
- アプリ内課金の代替システム:2022 年より、日本のゲーム以外のアプリを提供するデベロッパー向けに、ユーザー選択型決済のプログラムを提供してまいりました。このプログラムでは、デジタル コンテンツのアプリ内購入において、Google Play の課金システムと並列して、別の課金システムを提供することができます。スマホソフトウェア競争促進法への対応として、このプログラムの適用対象を、日本のユーザーにデジタル コンテンツのアプリ内購入を提供するすべてのアプリへと拡大します。詳細はこちらをご覧ください。
- Google Play 外でのデジタル コンテンツの購入:Android は、日本のデベロッパーに新たな機会をもたらしてきた、オープンで活気あるプラットフォームです。Google は、セキュリティ上のリスクを招くことなく、これらの機会を維持し、成長を後押しし続けることが重要であると考えています。こうした背景を踏まえ、Google Play においてデベロッパーの選択肢と柔軟性を高める新しいプログラムを開始します。このプログラムでは、デベロッパーが Google Play の課金システムでの購入と自社ウェブサイトでの購入という 2 つの選択肢を並べて提示できるようになります。本プログラムは、競争力のある手数料体系で提供されるとともに、ユーザーの安全とセキュリティに関する重要な要件が適用されます。参加をご希望のデベロッパーは、本日より登録手続きを開始でき、実装に向けた API についてもまもなく利用可能になります。詳細はこちらをご覧ください。
イノベーションの追求、そして幅広い選択肢の提供
Google は常に、ユーザーの利便性と選択の自由を念頭に置いて製品を開発しています 。そのため、スマホソフトウェア競争促進法が求める要件の多くはすでに遵守しています。
- Android 端末へのサードパーティ製アプリストアのインストールや、Android や Google Chrome におけるデフォルト設定の変更は、すでに簡単に行うことができます。
- Android のオープンモデルにより、ユーザーはさまざまなブランドの端末やデベロッパーのアプリを自由に組み合わせて、ご自身のスマートフォンとシームレスに連携させることができます 。
- Google 検索は、ユーザーとって、有用で関連性が高く、信頼できる情報を優先して表示します。
- 加えて、アプリ デベロッパーは、アプリ内で希望するブラウザ エンジンや認証サービスを選択し、利用できます。
- 10 年以上にわたり、Google データ エクスポートは 80 以上の Google 製品から,自分のデータのコピーをダウンロードまたは転送できる機能を提供してきました。Google は、ユーザー自身が管理できるツールへの投資を今後も継続します。
日本における安全で、セキュリティを維持したイノベーションの保護
過去 1 年半にわたり、私たちは公正取引委員会と建設的に協議を重ねてまいりました。Google のコンプライアンス対応策に関する公正取引委員会のご協力、一連のプロセスにおける多大なご尽力ならびに今回の変更実施に向けた緊密な連携に感謝いたします
これまでの意見交換の機会において、他国では一部の規制が難しいトレードオフ(両立困難な課題)を招き、結果として、ユーザーや企業に意図せぬ悪影響を及ぼした事例についても共有いたしました 。スマホソフトウェア競争促進法には、こうした懸念を軽減しうる重要なセーフガードが含まれています。同法では、サイバー セキュリティ、プライバシー、ユーザーの安全などの保護を目的であれば「正当な理由」に基づく例外措置が認められています。これにより、便利な機能が、法規制によって意図せず損なわれるリスクを最小限に抑えることができます。
Google のエコシステムの安全性とセキュリティを維持することは、私たちにとって最優先事項です。 日本のデベロッパーを対象とした最近の調査では、79% の回答者が、主要なアプリストア以外のチャネルを通じてアプリ内デジタル コンテンツを配信することに伴うセキュリティリスクを懸念していることが明らかになりました。この調査結果は、新規性の適用にあたり、意図しない結果を避けるためには、正しい実装、規制当局との建設的な対話、そして慎重な運用がいかに不可欠であるかを裏付けています。
Google は、引き続き公正取引委員会および業界全体と協力し、日本の皆さまにとって有用で、安全な製品とサービスを提供し続けていまいります。