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Japan Blog

デジタル広告におけるユーザープライバシー改善の取り組みに関する最新情報



オンライン上における個人のデータの扱いは、多くの人にとって重要であり、関心が高まっているテーマです。Google は、世界中の人々が自身のプライバシーが保護されていることに確信を持ちながら、安心して広告表示コンテンツにアクセスし続けることができるインターネット世界の実現を目指しています。しかし、この実現にはデジタル広告の仕組みの透明性を高め、ユーザーの皆さまにおいて、ユーザーデータの利用方法をより簡単にコントロールできるようにするだけでなく、ユーザーデータの利用に関する選択肢を提供し、ユーザーの意思が軽視されたり、無視されることなく、しっかりと尊重されることが重要です。

本日は、ユーザーに表示される広告についてより詳しい情報を伝える新しいツールを含む、Google の取り組みに関する最新の情報を紹介します。また、現在のプライバシー環境に対応する上で指針となるマーケターやパブリッシャー向けの新しい情報や、ユーザーのプライバシーに配慮しながら効果的なデジタル広告ソリューションを提供しているブランド企業やメディア企業の実例もご紹介します。

透明性を向上させ、更なるコントロールを可能とするために

Google は長年にわたり、”Why this ad” (広告の表示について)という機能を提供しています。これは、デジタル広告に表示されるアイコンから、その広告が選ばれた要因の一部について詳細な情報を確認したり、広告表示を停止することができるものです。ユーザーは、表示される広告の詳細を理解し、必要な場合には広告の表示を停止することができ、この機能は毎日 1,500 万人以上に利用されています。最近ではインターネットテレビの広告にもこの機能を拡張しました。

また、今後数ヶ月の間に、Google が確認した広告主の正式名をユーザーに表示する “About this ad” という新機能を導入し、ユーザーのエクスペリエンスの改善を目指します。“About this ad” はまず、Google 広告とディスプレイ&ビデオ 360 で購入したディスプレイ広告で利用できるようになり、2021 年に他の広告表示にも導入していく予定です。

About this ad という新機能を説明するGIF画像。

透明性を高め、ユーザーがコントロールできる選択の幅を増やす取り組みは、Google で表示される広告だけにとどまりません。デジタル広告のエコシステムには多くのプレイヤーが関わっているため、通常は表示される広告にどのような企業が関与しているのか、ユーザーには不透明になることもあります。このような傾向を踏まえ、ウェブ上で目にするすべての広告について詳細な情報を提供するために、「Ads Transparency Spotlight」という新しいツールをリリースする予定です。現在は、Chrome ウェブストアからアルファ版拡張機能として試すことができます。今後、ユーザーからのフィードバックに基づきこの拡張機能を改善し、いずれはユーザーによるコントロールを向上させ、広告に関する情報開示を強化していきます。ユーザーへの透明性とコントロールを高める同様の機能を、他のテクノロジープロバイダーにも提供し、彼らのサービスにも組み込まれていくことを期待しています。

デジタル広告のエコシステムをさらに進化させるために

Chrome はプライバシー サンドボックスというオープンな標準イニシアティブを促進し、ウェブブラウザがユーザーデータに配慮しながらデジタル広告をサポートしていく方法を探り続けています。プライバシー サンドボックスの取り組みの一環で、個々のユーザーの識別情報を明らかにすることなく、広告の選択やコンバージョン測定、アドフラウドなどのケースを解決する新しい API の提案が公開されています。その中の一つに、悪意あるアドフラウドに対抗するためにボットとリアルユーザーを区別するための信頼性の高いAPI があり、現在、デベロッパーによるテストが可能になっています。また、その他の API も間もなくライブ テストに移行する予定です。

このようなアプローチでユーザーやパブリッシャー、広告主のニーズに対応した上で、Chrome はサードパーティ Cookie のサポートを段階的に廃止していく予定です。これらの提案は W3C などのフォーラムで活発に議論されています。Google の広告担当チームはこの議論に積極的に関与しており、関心のある関係者にも同様の協力を促しています。これから数年の間、新しいソリューションを製品に取り入れていく予定です。

Google はまた、パブリッシャーが優れたコンテンツ制作に投資し、広告主が自社製品に適した人々にリーチすることを可能にすると同時に、ユーザーのプライバシーを向上させるためのさまざまなアプローチも探っています。たとえば、ユーザーデータの利用に関する透明性とコントロールが保証されている場合、ユーザーに対してより関連性の高い有益な体験を提供するために、広告主やパブリッシャーがファースト パーティ データを利用することをサポートします(関係が構築されている顧客との直接のやり取りに基づく)。一方でフィンガープリントのように、個々のユーザーに関するデータを転送し、秘密裏にこれを追跡可能にするような、不透明または隠された技術を使用することは禁止しています。知らないうちに、または許可なく、ユーザーを追跡、特定し、情報を得ようとする試みはブロックされるべきだと Google は考えます。このような行為に対して、私たちは今後も強い姿勢で臨みます。

デジタル広告におけるプライバシー向上に関する話題の多くは、一般的にウェブに焦点を当てたものですが、人々がデジタル広告を目にする環境はさまざまです。技術的なアプローチや実装はそれぞれの特徴により細かいレベルでは異なりますが、無料コンテンツへのアクセスを維持しながらユーザーデータの取り扱いを向上させるという Google のビジョンは、ウェブやモバイル アプリ、インターネット テレビ、デジタル オーディオ、そして今後登場するであろう新たな領域でも一貫しており、変わりません。

広告主とパブリッシャーへの指針

未来のデジタル広告においては、新しい技術、新しい基準、そしてより良い、より持続可能なアプローチが約束されていますが、そこに至るまでにはある程度時間がかかります。Google は、この過渡期に多くの関係者が感じる不安を理解しています。近い将来、多くの変化が起きることは確実ですが、マーケターやパブリッシャーがためらわずに行動を起こすことが非常に重要です。

その準備に役立てていただくために、マーケターやパブリッシャーが今すぐ検討すべき推奨事項をまとめました。ここには、顧客との直接的な関係の構築やデータ管理に関するベスト プラクティス、パートナー企業との関係をより良いものにしていくためのヒント、機械学習やクラウドを利用するための実用的な例まで、実践的な指針や、変化し続けるユーザー データの取り扱いの状況に対応している企業の実例が多く掲載されています。

Google は、ユーザーのプライバシーにさらに配慮した未来に向けて、デジタル広告業界を前進させる取り組みを続けていきます。皆さまにもプライバシーに関する問題について活発に議論していただき、来るべき未来に向けて今から動き始めていただきたいと考えております。