メリディアン を提供開始

この度、マーケティング担当者およびデータ サイエンティストの皆さまが、Google が開発したオープンソースのマーケティング・ミックス・モデリング（MMM）である Meridian （メリディアン）を利用できるようになりました。メリディアン の実装をサポートするためのトレーニングと認定を受けた 20 社以上のパートナーと連携したパートナー プログラムも開始いたします。

昨年、私たちは現在のマーケティング環境においてより適切に予算を配分できるよう設計された、透明性が高く、革新的で実用性のある MMM のビジョン（英語）を共有しました。世界中の数百の商品やサービスでテストを行い、そのフィードバックを取り入れ、メリディアンはその利点を誰もが享受できる準備を整えました。

日本におけるメリディアン認定パートナーからも、期待の声をいただいております。

“メリディアンは、因果推論のフレームワークを導入することで、YouTube のリーチとフリークエンシーを考慮したロジックを取り入れたり、検索連動型広告のような 獲得目的広告効果の検証精度を向上させたりしています。現代のメディアの特性に合わせた広告効果測定の選択肢を提供する点で、非常に革新的です。”

株式会社 電通デジタル データ サイエンスグループ マネージャー 吉田 秀穂 氏

“ ポストクッキー時代の広告・マーケティングにおいて、MMM は、最も重要な手法だと考えます。しかし、MMM はデータサイエンスにおける総合格闘技のようなものですので、MMM を適切に活用するには、統計学・計量経済学・マーケティングに関する幅広い知識を持つデータサイエンティストが必要になります。
Meridian は因果推論に関する研究成果を取り入れ、MMM を適切に実施するために必要な要素を備えています。メリディアンパッケージはシンプルなので、私たちマーケターやデータサイエンティストが複雑なデータからメディアインサイトを抽出する有効な手段となるでしょう。
もっと重要なことは、Meridianが推進する考え方だと、私は思います。実践を通じて、メリディアンが採用している因果構造モデル・ベイズ統計・モデリングという行為自体を理解することで、私たちマーケターやメディアプランナーの能力を飛躍的に高めてくれるはずです。” -

博報堂DYグループ データサイエンティスト・チーフディレクター／チーフマーケティングプラニングディレクター 宮腰 卓志 氏

マーケティング・ミックス・モデリングでよりスマートなマーケティングの意思決定を

人々は普段、動画視聴や ウェブ、SNS の閲覧、何かを検索、買い物をするといった行動を通し、また多くの場合それらを同時に行いながら商品やサービスと関わっています。こうした状況を理解した上で、マーケティング活動が実際のビジネス成果をどのように牽引しているかを理解する方法が必要です。

MMM は、ビジネスのあらゆる要素を考慮した予算配分ができるようにすることを目的に作られている手法ですまた、季節性、価格設定、経済状況などの外部要因の影響も考慮することができます。MMM はユーザーのプライバシーに配慮した集計データで投資効果を測定することが可能です。テレビCM、YouTube や Google 広告、ソーシャルメディア キャンペーンなどのブランド構築活動が、将来的な購買や新規顧客獲得にどのように影響するかを捉え、即時的な影響にとどまらない効果を測定します。

メリディアン : MMM へのより現実的なアプローチ

従来の MMM は、オフライン広告やテレビ CMと動画広告などの限られたクロスメディアへの投資のために構築されたもので、検索広告や AI を活用したコンバージョンを目標にした広告キャンペーンの測定には十分ではありませんでした。それらは最新のアプローチが欠けており、不正確な予算配分につながるリスクがあります。また、インクリメンタリティ テストを組み込んで仮説を更新したり、最適なフリークエンシーや地域ごとのニュアンスといった詳細なインサイトを提供できない場合があります。

代わりにメリディアンのような最新の MMM を測定方法として活用することで、より良いビジネス成果を上げることが期待できます。これはベイズ推定に基づいており、事前の知識と実データとを組み合わせ、マーケティングの真の増分効果を明らかにします。しかし、それだけではありません。

• パフォーマンス メディアの真の価値を明らかに：広告主の皆さまは、メリディアンを利用することで MMM Data Platform にアクセスできるようになります。これにより、Google メディアの主要な MMM 用のインプットデータ（インプレッション、クリック数、費用など）だけでなく、Google 検索クエリのボリュームなど、新たに重要な変数をモデルに組み込むことができます。特に検索は売上と高い相関関係があるため、検索広告の費用が実際にどのような成果をもたらしているかについて、より現実的で、正確なインサイトを得られます。
  
• ニーズに合わせてカスタマイズ：メリディアンは、オープンソースのモデリングフレームワークによる透明性を担保し、コードや手法を検証することができます。 特定のニーズに合わせてコードやモデルパラメータを変更することも可能です。
  
• 正確な予算決定：メリディアンは、売上、ウェブサイト訪問数、利益、コンバージョンなど、貴社のビジネスに適した KPI に基づいてキャンペーンの効果を分析します。その結果、過去のパフォーマンスを把握し、複数の最適化シナリオを実行して予算を最大限に活用することができます。また、メリディアンでは、価格やプロモーションが KPI に与える影響を考慮するため、メディア以外の変数も含めることができます。
  
• リーチとフリークエンシーの再定義：MMM は従来、動画をインプレッション数で測定してきましたが、インプレッション数は全体像の一部を語るに過ぎません。10 回のインプレッションは、10 人が視聴したことを意味する場合もあれば、1 人が 10 回視聴したことを意味する場合もあります。この 2 つのシナリオでは、ビジネス成果に与える影響が大きく異なります。Meridian はインプレッション数だけでなく、リーチとフリークエンシーも考慮した動画の投資効果を把握することができます。
  
• テストを強力な事前情報として活用：メリディアンは、チャネルやテストに関係なく、インクリメンタリティ テストの結果を事前情報として簡単に組み込めます。それにより、実際のビジネス成果に沿ったより正確な分析結果を得るために、モデルを現実のテスト結果に合わせて調整することができます。

私たちはメリディアンをさらに強力なものにするため、今後も段階的に新たな機能の追加と手法の改善に投資し続けます。メリディアンは、GitHub からコードをダウンロードしてご利用いただけます。

メリディアン の利用を開始するには

広告代理店や測定ベンダーとのパートナープログラムも開始します。認定された企業は、メリディアンのベストプラクティスに関する徹底したトレーニングを受けており、Google メディアに関する強固で詳細な MMM データにアクセスできます。

メリディアン 認定パートナーは、次のような形で メリディアン の活用を最大限サポートします。

• メリディアンの実装と投資の最適化に関する専門的なサポートやアドバイスガイダンスの提供
• メリディアンのベストプラクティスへのアクセスとガイダンスによるメディア投資の改善
• ニーズに合わせた測定のカスタマイズ。メリディアンはオープンソースであるため、モデルの仕組みに関して完全な透明性が確保されており、独自のビジネス目標に適合するようにパラメータを調整することができます。

メリディアン 認定パートナーと共に、最新の MMM の可能性を最大限に引き出し、マーケティング効果最大化する深いインサイトによって意思決定をおこなう方法を発見してください。