新しい Google マップのご紹介
こんにちは、Google のエンジニアのクリスです。今日は、Google マップというサービスを発表させていただきたいと思います。
そのサービスもうあるじゃないかって?そうですね、ちょっと説明させてください。
私は一年前、CJ ローカルというプロジェクトで勤めていました。中国の C と日本の J で、ローカルサーチをそれぞれのマーケットに向けて強化するプロジェクトでした。それで Google マップ US 版にゼンリンさんの地図画像をはめ込んで、Google マップ日本版を作りました。
でも、もっともっと多くのユーザーに使ってもらいたいと思っていました。実は、わたしたちも、社内で他のウェブ地図を使うこともありました。でも考えたらそれはしょうがないのかも知れません。ゼンリンさんの地図と Google マップは違う要求条件の下で作られたものです。一つは効率的な描画でいろんなデバイスで使えるようにしてある一方、もう一つはウェブ上でしか使わないけどその分、線や図形ををきれいに描くことができます。前者で作られた画像を後者のシステムに無理矢理いれたら、ユーザーへの価値を最大限にできないことは必至ですよね。特に地図の歴史の深い日本のみなさんにはこのままでは物足りないのではないかと申し訳なく思っていました。
こうして、私はリリース以来、直したいな、便利なものにしたいなと思って、 Google マップ日本版の改良を始めました。
小倉にて。元祖 Google マップの開発者のラース・ラッスムューセンとゼンリン本社に出張をしました。そこで、ゼンリンの地図の技術を紹介していただきました。日本の地図と地図データについて詳細な話がたくさんできて、勉強になりました。
そして、Google マップの描画の技術を勉強しに、Google シドニーへ。 Google マップの画像がもともとシドニーで作られたことをご存知でしたか?そしてその人達が今でもシドニーで勤めています。彼らはそこから引っ越したくないらしいです。コーヒーや名物のpie and peasは美味しいし、そして天気や人々の良さを考えればわかる気がします。それに、そこでは、私の机がラース・ラッスムューセンと有名なエンジニア、ロブ・パイクの間にありました(!)。シドニー バンザイ!
今度は4月、米ワシントン州のカークランドにて。Google のデータ処理チームに相談を受けにGoogle カークランドに来ました。ゼンリンさんのデータが見たことないぐらい詳細だったので、皆どうすべきかわかりませんでした。コーヒーをたくさん飲んで、頭をひねりながら、新しいやり方を開発しました。
そして6月、東京の渋谷です。日本の地図を勉強しに、Google 東京に来ました。まず、紙の地図を沢山買いました。道路地図、ハイキング用地図、住宅地図、地理教育用地図… 帰りの荷物に入りきらないぐらい買いました。そしてその時までに描けたプロトタイプを Google 東京のスタッフと相談しながら改良していきました。たとえば、銀行のアイコンが識別しにくかったから、日本の地図記号を調べてそれを地図に入れました。駅が見付かりにくかったから、駅名のラベルを強調しました。フォントが読みにくかったから、読みやすい、地図に合う、日本の書体を一生懸命探しました。日本の特徴を調べて地図を描く仕事です。
8月、米カルフォルニア州マウンテンビューの Google 本社です。Google マップチームとプロダクトの仕上げをするために帰ってきました。こうして、世界中のチームと地図を磨いて、プロダクトを作っていきました。
こうして、今日ご覧になっている地図ができました。Googleマップの形で広域が見やすく、ゼンリンさんのデータで詳細が極めて詳しい、日本のことを考えて描かれた地図です。前回が Google マップ日本版だとすれば、今回は Google 「地図」です。便利と思っていただけたら幸いです。是非使ってみてください。