震災遺構デジタルアーカイブプロジェクトを公開します
本プロジェクトは、被害を受けた施設を管理する自治体とのパートナーシップにもとづき、11 月 13 日から約 3 週間にわたり撮影を行いました。
陸前高田市役所 旧庁舎
1 階部分には津波が運んだ大量の土砂と、津波に押し流された軽自動車が残っています。3 階の天井まで水が達し、ガラスのなくなった窓からは復興に向けた解体作業を進める重機と水平線が見えます。
旧大船渡商工会議所 本所
2階天井付近まで津波で浸水し、一部の壁が完全に流されている様子が分かります。窓が完全になくなった2 階からは復興に向けた解体作業を進める重機と、地盤沈下のために目の前の空地に水たまりができている様子を見ることができます。
今回公開するのは、11 月に発表した岩手県大船渡市、釜石市、陸前高田市、福島県浪江町(五十音順) の 4 市町村が管理する施設に、陸前高田市内の岩手県立高田高等学校、岩手県立高田病院 を追加した 34 件です。
本プロジェクトは、ストリートビューの技術を用い、東日本大震災で被害を受けた施設の外観と内部を撮影・公開し、世界中の科学者や研究者をはじめ、一般の方がこうした情報にアクセスできるようにすることで、地震や津波が引き起こした被害の様子をより深く知っていただくきっかけになるものと考えています。
震災から約 2 年を迎える今、今回撮影した施設の中には、すでに解体が始まっているものもあります。本プロジェクトで記録した画像が、研究や教育の現場での活用をはじめ、時間とともに薄れゆく記憶を写真にとどめ、さらには震災を経験したことのない今後生まれてくる世代にとって、地震と津波が引き起こす被害に触れるためのひとつの道具として、活用されることを期待しています。
また、今回、新たに宮城県の 5 市町村が本プロジェクトに参加され、対象の 10 施設について、年内に撮影を行う予定です。Google では、引続き本プロジェクトによる施設のデジタルアーカイブを希望する自治体や施設管理者の方を募集しています。プロジェクトへの参加申込ページより、必要事項を記入の上、ご連絡ください。
震災遺構 画像公開 施設一覧 (五十音順、* は11月13日の発表以降に追加された施設)
岩手県大船渡市(12 件)
旧大船渡商工会議所 本所、サン・アンドレス公園 展望台、大船渡魚市場、大船渡市民体育館、大船渡市立三陸公民館、大船渡市立博物館、ショッピングプラザマイヤ、岩手県立大船渡職業能力開発センター、大船渡市農業協同組合 本店、野野前漁港、泊漁港、吉浜漁港
岩手県釜石市( 8 件)
釜石市立唐丹小学校、釜石市立唐丹中学校、旧釜石鉱山事務所、釜石市戦災資料館(釜石ビル)、釜石市青葉ビル、旧釜石第一中学校 体育館、釜石商店街 みんなの家、インターネットde Cadatte
岩手県陸前高田市( 10 件*)
岩手県立高田高等学校*、岩手県立高田病院*、陸前高田市役所旧庁舎、陸前高田市立気仙小学校、道の駅 高田松原、陸前高田市 定住促進住宅、陸前高田市役所、陸前高田市立気仙中学校、陸前高田市立広田中学校、陸前高田市民会館
福島県浪江町( 4 件)
浪江町立請戸小学校、南棚塩総合集会所、請戸漁港、大字請戸集会所
今後、撮影を予定している対象施設一覧 (五十音順)
<既存の参加自治体で追加撮影予定の施設>
岩手県大船渡市( 4 件) 越喜来漁港、門の浜漁港、根白漁港、さいとう製菓株式会社
岩手県釜石市( 1 件) 丸栄及新
<新規参加の自治体で撮影予定の施設>
宮城県気仙沼市( 2 件) けせんぬま海鮮市場「海の市」、気仙沼リアスシャークミュージアム
宮城県七ヶ浜町( 1 件) 七ヶ浜町立七ヶ浜中学校
宮城県東松島市( 5 件) 大曲地区体育館、野蒜出張所、東松島市立浜市小学校、宮城県松島自然の家、JR 野蒜駅
宮城県山元町( 1 件) 山元町立中浜小学校
宮城県利府町( 1 件) 浜田漁港