検索における AI : 情報を超えた知性へ
昨年の Google I/O で AI による概要 (AI Overviews) の機能を発表して以来、Google 検索の使われ方に大きな変化が起きています。人々は、より多くの質問を Google に投げかけるようになっており、その中には、より複雑で長文のものや、マルチモーダルな質問も含まれています。
検索における AI は、ウェブサイトへのリンクとともに、Google にあらゆる質問をより簡単に投げかけ、役立つ回答を得られるようにしています。AI による概要は、ここ10年で最も成功した検索機能の一つと言えるでしょう。AI による概要を利用するほど、その結果に対する満足度が高まり、より頻繁に検索するようになる傾向が見られます。米国やインドなどでは、AI による概要が表示される種類のクエリにおいて、Google 検索の利用が 10% 以上増加するという結果も出ています 1 。これは、AI による概要を一度使用すると、ユーザーがこの種のクエリをより多く行うようになっていることを意味し、特に喜ばしいのは、時間とともにこの利用増が拡大していく点です。Google 検索に期待される早さで AI による概要も表示しており、業界最速の AI 応答を実現しています。
私たちは常に AI 技術により検索を進化させています。本日の I/O では、情報を超えた知性へと進化する Google 検索の未来を構築する最新の取り組みを紹介しました。ここからは、発表内容の詳細をご紹介します。
最先端の AI 機能を備えた検索の AI Mode
AI による概要の展開に伴い、エンドツーエンドの AI 検索体験が欲しいというお声をいただいています。そこで今年初めに Labs で英語の AI Mode の試験導入を開始し、本日より米国で Labs 未登録のユーザーにも展開します。AI Mode は Google のもっとも強力な AI 検索であり、より高度な推論とマルチモダリティ、そして追加の質問やウェブへのリンクを通じてより深く掘り下げる能力を備えています。今後数週間かけて、Google 検索と Google アプリの検索バーに新しい AI Mode タブが表示されるようになります (米国のみ)。
表示結果はイメージであり、実際の結果は異なる場合があります。
AI Mode の内部では、クエリ ファンアウトと呼ばれる技術が活用されています。この技術は、質問を複数のサブトピックに細分化し、あなたに代わってこれらのサブクエリに対して同時に検索を実行します。その結果、従来の Google 検索よりもはるかに深くウェブを探索できるようになり、ウェブ上の膨大な情報から、あなたの質問に合った関連性の高いコンテンツをより多く見つけることができます。
今後、Gemini の最新機能はまず AI Mode に導入します。フィードバックを得ながら、AI Mode の多くの機能や性能を中核的な検索体験に組み込んでいきます。今週から、Google の最も知的なモデルである Gemini 2.5 のカスタム バージョンを、米国の AI Mode と AI による概要の両方に導入します。
また本日、AI Mode に追加する新たな機能も紹介しました。これらの機能は、ユーザーの皆様からの意見をいただくため、数ヶ月後に Labs に導入される予定です。
機能の詳細をご紹介します。
AI Mode の Deep Search があなたの調査をサポート
より深く詳細な回答が求められる質問に対して、徹底的に調査を行えるよう Deep Search を AI Mode に導入します。この Deep Search は、すでにご紹介したクエリ ファンアウト技術をベースにしながらも、さらに高いレベルで実行します。具体的には、数百の検索を同時に実行し、散在する多様な情報を横断的に分析して、専門家レベルの引用元を網羅したレポートをわずか数分で作成します。何時間にもおよぶリサーチの作業時間を節約できます。
結果はイメージであり、実際の結果は異なる場合があります。製品は開発中であり、最終的な詳細部分は異なる場合があります。
リアルタイムで役立つ、Google 検索のライブ機能
毎月 15 億人以上のユーザーが利用している Google レンズは、視覚検索の限界を押し広げてきました。マルチモダリティの次のステップとして、Project Astra のライブ機能を Google 検索に導入します。Search ライブでは、カメラを使って目の前に写っているものについてリアルタイムで会話をしながら検索をすることができます。
AI の結果は異なる場合があります。製品は開発中であり、最終的な詳細部分は異なる場合があります。
例えば、業務で行き詰まり助けが必要な場合は、AI Mode または Googleレンズの「Live」アイコンをタップし、カメラを向けて質問できます。Google 検索はあなたが見ているものを理解できる学習パートナーとなり、難しい概念を説明したり、ウェブサイト、動画、掲示板などのさまざまな情報元へのリンクとともに、アドバイスを提供します。
あなたの代わりに作業を行うエージェント機能
皆さんが日頃 Google 検索 を使うのは、何か特定の目的を達成したい時が多いのではないでしょうか。Project Mariner のエージェント機能を AI Mode に導入し、チケット購入のようなタスクも時間を節約できるようお手伝いします。「今週土曜日の野球の試合で、低層階の手頃な価格のチケットを 2 枚見つけて」と尋ねるだけで、AI Mode はクエリ ファンアウトを駆使し、複数のチケット販売サイトを横断的に調査し、リアルタイムの価格と在庫状況を踏まえて、何百もの選択肢をチケットの候補を分析し、フォームへの入力などの手間のかかる作業も代行します。AI Mode は条件に正確に合ったチケットの候補を提示し、ユーザーは自分のもっとも気に入ったサイトを選んで購入することができるため、ユーザーが主導権を維持しながら時間を節約することができます。
結果は過去の情報を反映しており、実際のものとは異なる場合があります。
この機能は、まずイベントのチケット、レストランの予約、そして地域の店舗やサービスの予約から対応を開始します。また、Ticketmaster、StubHub、Resy、Vagaro といった企業と協力し、ユーザーの皆様にシームレスで役立つ体験を提供していきます。
最適な商品を見つける新しい AI ショッピング パートナー
新しい AI Mode のショッピング体験は、Gemini モデルの能力と Google のショッピンググラフを組み合わせることで、インスピレーションを得るための商品探索、購入前の熟考、そして商品の絞り込みまであらゆる段階でサポートします。コーディネートがどのように見えるか確認したい場合は、自分の写真を 1 枚アップロードするだけで、何十億点ものアパレル商品を仮想的に試着することができます。そして、適切な価格でぴったりなアイテムが見つかったら、新しいエージェント型チェックアウト機能に Google Pay を使って代わりに購入するよう依頼できます。もちろん、その全てのステップは、常にユーザーの指示と管理のもとで実行されるので安心です。詳細はショッピングに関するブログ (
英語 )をご覧ください。
パーソナル な文脈を活用して、AI Mode で最適化された結果を
よりパーソナルな体験を届けるために、AI Mode は近日中に、過去の検索履歴に基づいて最適な提案を行うようになります。さらに、他の Google アプリとの連携をご自身の選択により有効化することで、より多くの個人的な文脈を取り入れることもできます。この連携はまず Gmail から行う予定です。
例えば、「今週末、美味しい食事と音楽が大好きな友人とナッシュビルでできること」と旅行前に検索すると、AI Mode は過去に予約や検索したレストラン情報から、屋外席のあるお店をを表示して提案します。また、フライトやホテルの予約確認情報に基づいて、滞在先の近くで開催されるイベント情報も教えてくれます。
AI Mode があなたの個人的な文脈を活用している場合は、そのように表示されます。これは常にユーザーの管理下にあり、いつでも接続または活用をやめることを選択できるようにするためです。
データを視覚化するためのカスタム チャートとグラフ
数字の処理やデータの視覚化をする作業に追加のサポートが欲しい場合、AI Mode は複雑なデータセットを分析し、それらを視覚的に表現するグラフィックをクエリに基づいてカスタマイズして作成します。例えば、2 つの異なる野球チームのホーム アドバンテージを比較したい場合、Google 検索はリアルタイム情報を基に、あなたの疑問に答える分析とインタラクティブグラフを作成します。これはスポーツと金融関連のクエリから利用できるようになる予定です。
結果は過去の情報を反映しており、実際は異なる場合があります
AI Mode は本日から米国の全ての方に展開を開始します。I/O で紹介したすべての新機能は、今後数週間から数ヶ月の間に AI Mode の Labs ユーザーを対象に提供される予定です。米国内でこれらの機能をいち早く試したい方は、Labs において AI Mode の試験運用をオンにしてください。