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Japan Blog

より信頼できる医療情報へのアクセスを



新型コロナウイルス感染症と共にある生活においては、信頼できる医療情報へのアクセスはこれまでに以上に重要性を増しています。健康や医療に関する情報を調べる場面が増える一方で、一般のユーザーが検索するキーワードと、医療機関や医療従事者が発信する情報の間にはギャップが存在しています。

Google は、本日、医療従事者及び専門家、株式会社メディカルノート、株式会社メドレー(五十音順)との協力に基づき、このようなギャップの解消とより信頼できる医療情報へのアクセスを支援するための取り組みを開始します。本取り組みにおいて、Google は Question Hub (クエスチョン ハブ)という新しいツールを参加する医療従事者及び医療情報コンテンツの制作チームからなるプロジェクトチームに提供します。

Question Hub は、任意のトピックついてユーザーが適切な情報を見つけられていないと考えられる ”未回答” の検索キーワードを自動的に収集し表示するツールです。今回は、β 版として特に新型コロナウイルス感染症に関する未回答のキーワードをプロジェクトチームに対し利用可能にすることで、ユーザーの興味があるトピックの理解と、利用されるキーワードの把握を支援します。

Question Hub の新機能の検索画面の画像。

さらに、医療従事者及び専門家のチームは、テーマの優先順位付けや世界最先端の知見をどのように噛み砕いてユーザーに届けるべきかといった点についてガイダンスを提供するほか、これらを元に医療に関するコンテンツ制作を専門とされる株式会社メディカルノート、株式会社メドレーがユーザーにとってよりわかりやすい形でコンテンツを制作・公開します。本取り組みを通じ、信頼性の高い医療情報が継続的に創出される環境を作ると共に、一般のユーザーがより信頼できる医療情報にアクセスできるよう協力して参ります。


慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教授/日本医師会 COVID-19 有識者会議メンバー 宮田裕章 先生

「 新型コロナウイルスについては未だに解明されていない部分が多く、感染終息についても現時点でも明確な道筋はありません。こうした状況を打開するために世界中で様々な研究や分析が行われ、効果のある治療や予防法などについて、少しずつ明らかになってきています。急速なスピードで日々情報がアップデートされる中で、信頼できる情報へのアクセスを人々に提供することは、より一層重要です。専門家チームはGoogle やコンテンツ制作事業者に対して、人々にどの様な情報が必要か、信頼できる情報の評価基準は何か等という点からアドバイスを行います。また良質なコンテンツの拡充や検索体験の改善によって、どのようなインパクトが人々や社会にもたらされたのかについて科学的な観点から評価を行います。専門家チームは Google が掲げる Technology for Social Good に共感し、信頼に基づくデータ活用が行われる社会の実現をともに目指します。」

メディカルノート 代表取締役 / 医師 井上 祥様

「メディカルノートは「医師と患者をつなぐ」を創業時からの理念とし、これまでに2,300名超の医療の最前線で活躍する医師や専門家の協力のもと、最新のエビデンスや臨床経験に基づいた信頼できる情報を「Medical Note」上で発信してきました。新型コロナウイルス感染症においても特設サイトを開設し、各医師会・各学会と連携の上、高齢者や糖尿病・がんなど基礎疾患を抱えるユーザーに対して最新情報を積極的に発信してきました。新型コロナウイルスの関連記事は、現在までに約40記事を公開し、累計約 1400 万人超のユーザーにご覧いただいております。検索ワードには様々なユーザーニーズや背景が反映されています。メディカルノートの今までの知見を活かし、今回の取り組みを通じてより多くの方の不安解消の一助となることを目指してまいります。」

オンライン医療事典「MEDLEY」監修医師 園田 唯 様

「メドレーは、信頼できる医療情報を誰にでもわかりやすく伝えることを目的に、『網羅性』『最新性』『中立性』という 3 つの軸を大切にしてオンライン医療事典「MEDLEY」を運営してきました。新型コロナウイルス感染症においては、時々刻々と状況が変化しているため、最新かつ信頼できる情報を得ることは容易ではありません。そこで『MEDLEY』では 2020 年 1 月に特設ページを設置し、感染状況や症状・検査など、新型コロナウイルス感染症に関する情報を、医師監修のもと作成して発信してきました。現在、『MEDLEY』の新型コロナウイルス関連記事は約2万回シェアして頂いていますが、今回の協働プロジェクトによって、信頼できる情報により多くの人がアクセスしやすくなる可能性を感じています。メドレーは、プロジェクトメンバーとして積極的に協力し、信頼できる医療情報の発信に貢献したいと考えています。」


Google では、2017 年に医療と健康に関する検索結果の改善を意図した日本語検索におけるページの評価方法を変更し、より有用で信頼性の高い情報を表示できるようにしました。医療に関する誤った情報は、デジタルプラットフォーム、医療従事者や専門家、そしてコンテンツ制作者などが共に協力し合うことで初めて対処できる複雑な問題です。専門や業界の枠を超えて集った共同の取り組みが、日本におけるそうした問題に対処する上での、一つの解を提示することにつながることを期待しています。

医療情報を扱うオンラインコンテンツを制作しており、Question Hub 特別 β 版の利用にご興味のある方はこちらのフォームからお問い合わせ下さい。

<プロジェクトチーム 参加一覧(五十音順)>
医療従事者及び専門家

  • 宮田裕章 先生(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教授/日本医師会COVID-19有識者会議メンバー)
  • 高山義浩 先生(沖縄県立中部病院/厚生労働省感染症対策本部メンバー)
  • 藤田卓仙 先生(世界経済フォーラム 第四次産業革命日本センター プロジェクト長)
  • 吉田奨 様(セーファーインターネット協会専務理事)
  • 日本感染症学会(ご担当者 調整中)

参加企業

  • 株式会社メディカルノート
  • 株式会社メドレー
  • グーグル合同会社