Gemini Enterprise:Google AI へのビジネスの新しい入口

Google Cloud にとって 2025 年は素晴らしい年となりました。第 2 四半期には年間売上高が 500 億米ドルを突破し、13 の製品ラインアップがそれぞれ年間 10 億ドル以上の収益を達成しました。この成長を牽引しているのが AI 製品です。Google Cloud のお客様の 65% が Google の AI 製品を採用しており、 トップ 10 の AI ラボのうち 9 社、そしてほぼすべての AI ユニコーン企業にご活用いただいています。
AI はクラウド市場に新たな可能性をもたらしています。そしてより一層注力するために、本日、Gemini Enterprise を発表します。
シンプルなチャットボットのその先へ
Gemini Enterprise は、AI 時代におけるビジネス変革がシンプルなチャットボットの域を超えるという前提に基づいて設計しました。企業が必要としているのは、すべてのデータ、ツール、そして従業員を、1 つの安全な場所に統合する、包括的なプラットフォームです。
この課題に対する私たちのソリューションが、Gemini Enterprise です。Gemini Enterprise は、すべての従業員のあらゆるワークフローに対して、Google AI の全機能を提供できるよう設計された AI 搭載の対話型プラットフォームです。Google の最先端の Gemini モデルを基盤に構築されており、企業のドキュメント、データ、アプリケーションと対話することができます。また、AI エージェントを構築し、展開するためのツールや、事前構築済みのエージェント群も提供し、企業の情報と各従業員の業務コンテキストに基づいて機能します。
私たちは Gemini Enterprise を、職場における AI への新しい入口と考えています。お客様が Google の AI ツールを強力に活用している事例が多数生まれています。
- HCA Healthcare: 看護師のシフト交代時の患者情報の申し送りプロセスを改善するため、看護師と協力し、ベスト プラクティスに基づいた Gemini 搭載のソリューションを試験導入しています。自動生成されるレポートは、勤務終了前に必ず看護師による確認を経ており、年間で数百万時間の業務時間削減につながると見込まれています。
- Best Buy: カスタマー サービスを変革し、お客様自身で宅配スケジュールを変更するケースが 200% 増加しました。また、価格マッチングやリサイクルなどに関する問い合わせの解決率も 30% 向上しました。
- Google 社内での活用:業務、コーディング、マーケティング、サプライチェーン管理など、あらゆる場面で AI を活用しています。現在、Google 社内で新しく書かれるコードのほぼ半分が AI によって生成され、エンジニアのレビューと承認を減ることで、開発スピードの大幅な向上につながっています。
AI に対するフルスタック アプローチ
Gemini Enterprise は、Google のフルスタック アプローチによって、Google Cloud のお客様ののイノベーションをいかに加速できるかを示す最新の事例です。
- AI インフラストラクチャ: Google 検索や YouTube を含む Google のすべての製品を支える、広範で信頼性の高いインフラストラクチャが基盤となっています。これにはGoogle のパートナーである NVIDIA の GPU と専用設計の Tensor Processing Units(TPU)が含まれます。最新世代の Ironwood は、前世代比 10 倍のパフォーマンス向上を実現しており、まもなく一般提供予定です。
- 研究: Google Research と Google DeepMind の世界トップクラスの研究チームが、科学、ロボティクス、健康、自動運転といった最先端分野のフロンティアを切り開いています。Google のチーム メンバーは 2 年連続でノーベル賞を受賞しました。量子チームのチーフ サイエンティストである Michel Devoret は、1980 年代に John Martinis と John Clarke と共に行った研究が評価され、本年物理学賞を受賞しました。この研究は、今日の私たちの量子研究の礎を築きました。昨年は、Demis Hassabis と John Jumper が AlphaFold で化学賞を受賞しました。AlphaFold は、AlphaGenome、Gemini Robotics、最先端の気象予測などの成果を含む、Google DeepMind の先駆的研究の一例です。
- モデル: Gemini を筆頭とする Google の基盤モデルは、世代を重ねるごとに新しい機能を導入しています。Gemini 2.5 Pro は 6 か月以上 LMArena で首位を独走しており、本日時点でも、テキスト部門とビジョン部門の両リーダーボードで 1 位を維持しています。Seattle Children’s Hospital やアメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)などの医療機関が Google Cloud を選ぶ決定的な理由の一つが、このモデルの卓越した精度です。Google の生成 AI モデル ポートフォリオは世界で最も広範であり、Veo、Imagen、Nano Banana などの画像編集ツールが含まれます。1,300 万人以上の開発者が、パフォーマンス、速度、コストを最適化しながら、Gemini を含む当社の生成モデルを活用し、開発を進めています。
- 製品とプラットフォーム: これらすべてのイノベーションは、Google の製品とGoogle Cloud のプラットフォーム上で実現され、他にはない規模でより多くの人々に AI を届けています。AI は Google Workspace で非常に人気の高い機能を実現しているほか、Google 検索における AI による概要は 20 億人以上に利用されています。この夏、Google のサービス全体で処理した月間トークン数が 1.3 京というマイルストーンを達成しました。7 月時点に発表した、月間 980 兆トークンから飛躍的に増加しています。
Gemini Enterprise は、企業が Google のフルスタック イノベーションにアクセスするための新たな入口です。Gemini Enterprise が、お客様の AI 活用に貢献し、より多くの成果を生み出すことを期待しています。
Gemini Enterprise に関する詳細は、Google Cloud CEO の Thomas Kurian によるGoogle Cloud ブログをご覧ください。