Google Earth Engineが可能にする新しい Google Earth タイムラプス
本日より、2016 年にアップデートを発表した Google Earth タイムラプス に、過去 2 年の画像が加わり、1984 年から 2018 年の 35 年分の地球上の画像をご覧いただけるようになりました。また、モバイルやタブレットにも対応、デザインも一新し、より気軽に、わかりやすく、地球の変化にアクセスすることができるようになりました。
また、沖縄県那覇市では、2020 年に利用開始予定の那覇空港第二滑走路が建設されているのがわかります。
タイムラプスは、Google Earth Engine を使い、USGS/NASA ランドサットプログラム、ESA センチネルプログラムの 1500 万以上の衛星画像(10の 16 乗、約 1 京の画素)を組み合わせ、雲のない画像を提供しています。また、今回も、Carnegie Mellon CREATE Lab の Time Machine ライブラリによって、インタラクティブに探索することが可能になっています。
ぜひ、世界の気になる場所を Earth Engine Website で探索するか、YouTube で世界各地のツアーに出かけてみてください。
また、このタイムラプスを作る鍵となった Google Earth Engine ですが、JAXA のデータセットも先日より提供を開始し、現在までにも豪雨による土砂崩れを広範囲で検知することに使われました。
Google Earth Engine がどのようなもので、どのように活用されているか、世界一美しいと言われている JAXA 種子島宇宙センターでのロケット打ち上げ画像と共にご覧ください。
Google Earth Engine でできること
昨年 10 月に Google Earth で公開されたJAXAの地球を見守る人工衛星たちでご紹介しました通り、ロケット打ち上げの目的の一つは人工衛星を軌道に乗せることです。その人工衛星から届いた衛星写真などを通じて、私たちは地球の様子を知ることができます。Google Earth でも、宇宙から見える地球上のアルファベットや、夜の地球を見ることができます。
ただ、宇宙から撮影した写真には雲が写り込んでしまい、地上の様子を見えにくい場合があります。また、ある地域で森林の伐採が進んでいるように見えても、実際にはどのくらいの面積が伐採されたのかを、衛星写真のみで計測することが難しい場合もあります。
こういった課題を解決するために開発したのが、Google Earth Engine です。2010 年に公開した Google Earth Engine ですが、今では 40 年分の衛星画像と 例えば世界の降水量といった、600 の地球の観測データ、そして多くの計算力に、パソコンとインターネットさえあればアクセスすることができ、アルゴリズムを使ってデータを解析することが可能です。
このデータを解析する力で Google Earth タイムラプスが作成されましたし、世界で初めて地球規模で森林の増減を可視化することも可能になりました。
気候変動などにより、様々な地球規模課題に向き合わなくてはならない今、Google Earth Engine が今の地球をよりよく知るためのツールとなり、具体的なアクションを生み出すための知見の発見に繋がることを願っています。